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石堂徹生「危ない食品の時代、何を食べればよいのか」

大手スーパー等、納入メーカーから奴隷的搾取の実態…不当な協賛金&社員派遣要請

文=石堂徹生/農業・食品ジャーナリスト

 ひとつは協賛金負担の要請で、「小売業者間での生き残りをかけた競争が一層激しさを増す中で、大規模小売業者は依然として製造業者に不当な協賛金を要請」「製造業者が得る利益に見合わない協賛金を支払わされている事例は依然多い」(同調査より)。

 全体の約30%が協賛金の要求を受け、うち約33%が「全て」「ほとんど」、約61%が「ケースバイケース」で応じていた。

 金額は「月間売上の1%程度要求される」「カタログ掲載料が売上金額よりも高い、断れば取り扱いが無くなる」(同)。

 種類としてはチラシ協賛金がもっとも多く、新製品導入協力協賛金、新規(改装)オープン協賛金、決算対策協賛金などが続く。小売業態別では、百貨店と大型総合スーパー、生協でチラシ協賛金、食品スーパーとドラックストアで新規(改装)オープン協賛金、コンビニエンスストアとディスカウントストアで新製品導入協力協賛金がそれぞれ多かった。

 2つ目がセンターフィー負担の要請だ。センターフィーは、卸やメーカーが大手スーパーの物流・配送センターへの商品納入時に支払う、センター使用料を指す。

 全体の約50%が「センターフィー負担」と回答し、さらにその約48%が(「コスト削減分【編注15】を上回る負担」と答えた。「売上の10%としており、根拠、契約書なし」「10%を超える。利益も含まれていると感じる」「売上が伸びるわけではないのに経費だけが増える」(同)

 3つ目は、納入業者が自社の従業員を大規模小売業の店舗などに派遣する、従業員派遣の要請だ。全体の約28%で派遣要請があり、特にドラックストアと食品スーパー、ディスカウントストア、大型総合スーパーで多かった。

 要請された業務内容は「棚替え、棚卸し、店舗の清掃、整理等」がもっとも多く、「店舗の新規・改装オープン時などの同業他社製品を含めた陳列・補充作業」が続く。派遣従業員の日当・交通費支給については、「全く出なかった」が特に百貨店で約57%もあった。

 その他の要請としては、「賞味期間が残っているのに、半値以下で販売」など、不当な値引きや特売商品の買い叩きなどがある。

 なお、公正取引委員会の調査【編注16】によれば、「以前は、直接スーパーから商品の要請があったが、今は、卸業者を経由して要請される」ケースも珍しくはなさそうだ。まさに、流通業界のせこいダーティビジネスが花盛り。バイイングパワーの“たかりの構造”の根は深い。

石堂徹生/農業・食品ジャーナリスト

石堂徹生/農業・食品ジャーナリスト

1945年、宮城県生まれ。東北大学農学部卒。養鶏業界紙記者、市場調査会社などを経て、フリーに。現在、農業・食品ジャーナリスト

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