「仕事の効率を上げるには、体を活性化させなくてはいけません。その意味で、立つと体がバランスを取ろうとして運動状態になるので、スタンディングデスクは理にかなっています。しかし、それは正しい姿勢で立つことのできる人の場合です。乱れた姿勢でパソコン作業をするなら、立って仕事をする意味が薄れてしまいます。

 正しい姿勢をキープすることができるなら、むしろ座っていても腹筋、背筋、腸腰筋など筋肉の働きを伴う運動になり、肺活量もしっかり確保できて体が活性化します。立っているときほどではないかもしれませんが、それなりの効果は期待できるわけです」(同)

 碓田氏は早稲田大学の学生たちに対し、パソコンを使う際は、まず背筋を伸ばした状態でモニターの上部と目線が水平になる「正しい姿勢」を取るように指導する。しかし、その姿勢を最初から余裕で30分間キープできた学生は、いまだにひとりもいないという。

「それくらい、正しい姿勢でパソコンを使えている人はいないということです。そして、その姿勢をキツいと感じる人ほど、いい筋トレになるのです」(同)

 導入する企業が増えているといわれるスタンディングデスクだが、正しい姿勢で利用できている人は少ないだろう。そのため、体にいいどころか逆に健康リスクを高めているのが実態なのだ。「座りっぱなし」を問題視してスタンディングデスクを使う前に、まずは正しい姿勢で机に向かうところから始めたほうがよさそうだ。
(文=青柳直弥/ライター)

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