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大崎孝徳「なにが正しいのやら?」

明治おいしい牛乳、高くてもバカ売れの秘密…価格据え置きで量1割減、飽くなき革新追求

文=大崎孝徳/名城大学経営学部教授

 こうした容器の変更はコスト増となりますが、1リットルから900ミリリットルへと容量を1割減らすことにより、店頭価格は据え置かれています。このような判断は極めて難しい意思決定であると思います。1リットルというのは、多くの消費者が長年にわたり慣れ親しんだ量ですし、わずか100ミリリットル減とはいえ実際の容量以上に少ないと感じてしまうかもしれません。しかし、1リットルのままでは価格が消費者の許容できる範囲を超えてしまうというリスクを回避したかったのでしょう。

 以前、豆乳メーカーの関係者から「トクホ(特定保健用食品)を取得した際、コスト増に伴い価格を10円上げたところ、大きく販売が落ち込んだ」と聞き、主婦を中心とした消費者の価格への感度の高さに驚いたことがあります。

 こうした消費者の価格への厳しさと「明治おいしい牛乳」の価値向上が、どういう結末をもたらすのか?大変興味深いところです。
(文=大崎孝徳/名城大学経営学部教授)

大﨑孝徳/香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授

大﨑孝徳/香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授

香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授。1968年、大阪市生まれ。民間企業等勤務後、長崎総合科学大学・助教授、名城大学・教授、神奈川大学・教授、ワシントン大学・客員研究員、デラサール大学・特任教授などを経て現職。九州大学大学院経済学府博士後期課程修了、博士(経済学)。著書に、『プレミアムの法則』『「高く売る」戦略』(以上、同文舘出版)、『ITマーケティング戦略』『日本の携帯電話端末と国際市場』(以上、創成社)、『「高く売る」ためのマーケティングの教科書』『すごい差別化戦略』(以上、日本実業出版社)などがある。

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