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出光創業家代理人・浜田卓二郎氏インタビュー(後編)

出光、昭和シェルとの合併を断念か…創業家代理人が激白、経営陣が必死の裏工作

構成=松崎隆司/経済ジャーナリスト
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全国出光会の動き

――全国の出光の販売店で組織する「全国出光会」が9月26日に理事会を開き、合併推進を求める決定を出しましたが、全国出光会から何か接触はありましたか。浜田さんへの批判の声も出ているようですが。

浜田 依頼者の盾になるのは弁護士の仕事です。その販売店の対応というのは、会社側が販売店を動員して決起大会を開かせて、本社で書いた手紙を販売店に送っているのです。そこで私たちも各都道府県の出光会会長に対して、「こういう主旨で合併には反対なんです。理解をしてください。できるだけ早く安定した状態になるように会社にお願いしてます」というレターを出光昭介名誉会長名でお送りしています。

――全国出光会の会長たちは、どんな反応なのでしょうか。

浜田 創業家側に手紙を送りつけてきています。それは月岡隆社長たちが中心になって、販売店回りをしたからです。全国出光会が理事会を東京で開いて、そこで合併推進の決議をした。それに基づいて今、全国各地から昭介氏宛や出光家宛に「今は販売店は苦しい。再編成というのは必要だ」といった嘆願書を送ってきているわけですよ。

――昭和シェルと合併した場合、出光の販売店は本当に経営がよくなるのでしょうか。

浜田 合併というのは経営を合理化するためにやるわけで、重複している店舗などがあれば、どちらかを潰す。そうした経営戦略が販売店にとってよいものであるとは思えません。

――会社側は、販売店のリストラは店舗の重複がほとんどないのでやらないと言っています。

浜田 ガソリンなど石油に対する需要が減退していて、さらに新しい会社と合併して販売店が増えるのに、販売店を本当にそのまま温存するんですか。逆に会社は合併のいい面だけを言っているわけです。しかし、現実には需要が減っている、そこで合併して企業の数も減らすというのは、それにより販売店も減らすということにつながるのではないでしょうか。ところが月岡社長はそんな話は多分していません。ただ「全体が楽になりますよ」と説いて回っていたわけです。月岡社長は、すでに合併を断念しているのではないですか。

合併を断念

――10月13日の昭和シェルの亀岡社長との共同会見で、「(合併延期は)数年というのはありえない。1年以内にやりたい」「できるだけ早く」と明言しています。

浜田 もう合併後の本社ビルも解約しちゃったじゃないですか。新聞社を通じて得た情報ですけれども。それで、昭和シェルも一旦解約した今の本社の賃貸契約を元に戻したという情報が入っています。

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