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新見正則「医療の極論、常識、非常識」

睡眠薬や精神安定剤、服用で認知症や強い依存症の危険…処方量が韓国の20倍の異常さ

文=新見正則/医学博士、医師

 一方で“非常識君”の意見です。

「日本はストレス社会で、抗不安薬睡眠薬が必要な社会なのです。他の国と比べて使用量が多いといっても、必要な人はどんどんと使うべきだと思っています。不安を抱えたままで生きるよりも、そして睡眠不足で生きるよりも、しっかりと抗不安薬や睡眠薬を飲んでストレスを解消したほうが、患者さんのためです。必要な薬はどんどんと躊躇なく使用すべきです。

 極論君が言います。

「イギリスにはアシュトンマニュアルといって、ベンゾジアゼピンから離脱するためのプロトコールが出ています。2012年には日本語訳も登場しました。それによるとベンゾジアゼピン系薬剤は、服用は2~4週間に限るべきで、それ以上の服用は無意味もしくは有害と記載されています。離脱方法は、簡単にいえば複数のベンゾジアゼピン系薬剤を一剤にして、それも長時間型の一剤にして、減量していく方法です。そんなマニュアルに頼って一生懸命離脱するよりも、最初から使用しないほうがいい」

“常識君”のコメントです。

「非常識君はベンゾジアゼピン系でも必要であれば、患者さんが希望すれば、どんどんと処方する作戦のようです。以前は確かにそうでした。そしてデパスやアモバンは90日の長期処方も可能でした。ベンゾジアゼピン系薬剤は『両刃の剣』と思って利用することが肝要と思います。簡単な気持ちで始めないことですね。そして不要になればさっさとやめましょう。だらだらと飲み続けることが何より体に悪いのです。だからこそ『向精神薬』扱いとなったのです」

 これからは30日以下しか処方されません。毎月ベンゾジアゼピン系薬剤の効能と、危険な副作用、依存症などを主治医から聞かされれば、自ずと使用量は減ると思っていますし、それを期待しています。
(文=新見正則/医学博士、医師)

新見正則/医学博士・医師

新見正則/医学博士・医師

1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年~ 慶應義塾大学医学部外科
1993~1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年~ 帝京大学医学部外科に勤務

 幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。著書多数。なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。

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