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新見正則「医療の極論、常識、非常識」

うがい薬は使ってはいけない?かえって風邪ひきやすくなる?マスクは無意味?

文=新見正則/医学博士、医師
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「それでは、ウイルスが何時間も粘膜に接触していることにもなりませんか。粘膜に20分もウイルスが接触すると感染するという報告もあります。うがいをするのであれば、いっそ10分に1回ぐらいすればどうでしょう。でもそんなことはできませんね。ですから、僕は温かいお茶のペットボトルを携帯して、頻回にちょびちょびと飲んでのどを潤しています。飲み込まれたウイルスは通常は胃酸で退治されるで、うがいよりも頻回にのどからウイルスを除去できると思っています」

 そして、極論君に「どんな水でうがいをするのですか?」と尋ねます。極論君は「茶色の殺菌作用のある消毒液を薄めたもので行います」という答えです。それに対して非常識君は「正常の細菌も殺してしまうので、あまり賛成できません。もしもうがいをするのであれば、水かお茶などのほうがよいと思っています」とコメントしました。

手洗い

 そして手洗いです。極論君の「帰宅したときや外出先のトイレでは、必ず手洗いをしている」というコメントに対して、「手にウイルスが付くのが嫌なのであれば、ドアのノブや、電車のつり革などには触れませんね。そのあたりも気を付けているのですか?」と尋ねます。

 極論君は徹底したもので、「手袋を常時着用しています。そして、家に帰ると手袋を外して手洗いを念のために行うのです」という返事です。非常識君も「そこまで徹底しているのであれば、手洗いも意味があるでしょう。しかし、通常は手を洗っても、その後すぐに机やノブやつり革を触ります。みんなが触る物を触らないということは相当神経質にならないと無理です。ですから、僕は手をあまり洗いません。それよりも、手は汚いと思って、手を口や鼻に持って行かないように心がけています」というコメントでした。

“常識君”はそんな議論を聞きながら、「マスクやうがい、手洗いでもいろいろな意見があるのですね。できる範囲で本人がいいと思うことを励行するしかないですね」と心の中で呟いていました。
(文=新見正則/医学博士、医師)

新見正則/医学博士・医師

新見正則/医学博士・医師

1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年~ 慶應義塾大学医学部外科
1993~1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年~ 帝京大学医学部外科に勤務

 幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。著書多数。なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。

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