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平野雅章「FP相談1600件でわかった全体最適マネー術」

「医療保険は不要」を疑え…年々増加する医療費自己負担、貯蓄ゼロ世帯は要注意

文=平野雅章/横浜FP事務所代表、CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士

医療保険の無駄な特約や保障対象外の問題

(2)で挙げた「女性特約や健康祝い金など無駄なものが多い」は、商品や特約の“選択”の問題であり、医療保険そのものを否定するのは論理の飛躍といえるだろう。そのような手厚い保障はパッケージプランの例にすぎず、大部分の医療保険は入院と手術の保障だけというようにシンプルな設計でも加入できる。

 また、(3)の「保障対象外などで給付金がもらえない、もらえても少額なこともある」は、保険が契約である以上、あらかじめ定められた通りに支払われるのは当然なことともいえる。保障内容の理解が不充分で加入の判断が歪んでいるということであれば、販売側の説明の問題を議論すべきだが、医療保険そのものの要不要とは別の問題だ。

 また、たとえば医療保険の手術給付金は、以前の医療保険では保険会社が定める88種類の手術のみを対象としており、公的医療保険制度で手術と認められるものでも対象外となることがあった。しかし、現在販売されている医療保険のほとんどは公的医療保険制度で手術と認められるものを手術給付金の対象とするように変わっている(一部例外もある)。保障対象をよりわかりやすくする改善も継続的に行われているのだ。

 保険は保険料から運営コストが費消される分、確率的には加入者が損をする可能性が高いものであり、なるべく加入しないに越したことはないのは事実。「医療費の自己負担が将来的に増加する可能性も考慮した上で、貯蓄で充分対応できるのであれば加入する必要性は低く、それが難しければ医療保険に加入せざるを得ない」というのが妥当な結論ではないだろうか。
(文=平野雅章/横浜FP事務所代表、CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士)

平野雅章/横浜FP事務所代表、CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士

平野雅章/横浜FP事務所代表、CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士

お金の不安を相談で解消する相談専門ファイナンシャルプランナーとして、保険・住宅ローン・ライフプランを中心に相談4000件超の実績。家計分析ツール「生活費ポートフォリオ©分析」考案、短大の非常勤講師、執筆など活動は多岐に渡る。全国FP相談協会 代表理事も務める。
横浜FP事務所

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