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巨額買収失敗でも「懲りない」損保ジャパン、今度は6千億で「売れ残り企業」を買収で「いいカモ」か

文=編集部

仏再保険会社スコールで大失敗

 日本の保険会社は国内市場の縮小を背景に、海外に成長の場を求めてきた。SOMPOは今回の買収により、収益源をグローバルに拡大するほか、商品の多様化や人材の獲得を目指すとしている。

 しかし、再保険会社の買収には懐疑的意見も多い。SOMPOはフランスの再保険会社、スコールのM&Aで大失敗しているからだ。

 SOMPOは15年3月6日、スコールを持ち分法適用会社にする計画を発表した。再保険で世界5位のグローバル企業をグループに取り込むというものだった。スコールの筆頭株主であるスイスの投資会社から議決権の8.1%に当たる株式を取得した後に、市場から株式を追加取得して15%以上を獲得。持ち分法適用会社に組み入れ、取締役を1人派遣する青写真を描いていた。

 持ち分法適用会社にすれば出資比率に応じて利益を取り込めることから、年間100億円規模の純利益を押し上げることが可能とソロバンを弾いた。まずスコール株の購入に700億円を投じ、8.1%を保有する筆頭株主となった。

 だが、M&Aのプランはわずか9カ月で破談となった。同年12月11日、スコールを持ち分法適用会社にすることを見送ると発表した。断念の理由は「投資の経済合理性および、その後の環境変化などを総合的に検討し決定した」というもの。およそ具体性に欠けていた。

 海外メディアは、SOMPOが15%の株式を取得して持ち分法適用会社にすることをスコール側が拒否したと伝えた。スコールはSOMPOのライバルの損保会社と取引があった。「SOMPOの持ち分会社になるなら取引をやめる」と圧力がかかったというわけだ。

SOMPO、買収は失敗か

 世界中の保険会社と取引がある再保険会社は、特定の損保会社のグループ会社になって色がつくことは百害あって一利なし。等距離外交が基本である。SOMPOはスコールのケースでは、投資会社が投下資金を回収するための出口戦略に利用されただけとなった。700億円は無駄金に終わった。

 スコールで懲りたはずなのに、また再保険会社の買収に動いた。スコールは持ち分法適用会社とする計画だったが、エンデュランスは完全子会社にする。

 エンデュランスも、SOMPOのライバルの損保会社と取引をしている。SOMPOに利益をもたらすエンデュランスの再保険に、競争しているほかの損保が加入するとは考えにくい。

BusinessJournal編集部

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