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日産、容赦なさすぎの「系列」完全解体完遂へ…最大の部品会社切り、IT企業と連携強化

文=編集部

 2000年、エアコンや熱交換器が主力のカルソニックと、メーター類などを手がけるカンセイが合併した。その後、日産は仏ルノーと提携し系列解体に乗り出すが05年、日産がカルソニックカンセイの第三者割当増資を引き受けて子会社にするなど両社は関係を強めてきた。

 日産がカルソニックを重用したのは円滑な海外展開のためだった。日産の生産ラインに近接した建屋の中で車の部品をつくるオンサイト生産を得意とするカルソニックが、日産の海外生産を支えてきた。

 日産は完成車工場に供給する部品企業の立地を4つに区分している。工場建屋内のオンサイト、工場敷地内のインサイト、工場近隣のニアサイトと、それ以外である。カルソニックはオンサイト企業だった。

 その一方で、部品会社が自社工場内にあると切り替えが難しくなる。売り上げの8割超を日産に頼る硬直的な関係だと、グループのコスト競争力を失わせる懸念が強い。

 この間、自動車の技術開発の方向性は大きく変わり始めた。従来からの環境対応に加え、大手自動車メーカー各社はAIを搭載した自動運転車の開発にしのぎを削り、インターネットとつながるクルマの進歩は著しい。自動車メーカーの重要な提携先は、今やIT企業になっている。

 完成車メーカーが求める部品や技術が大きく変わるなか、「聖域はない」が持論のゴーン氏は、再び系列関係にメスを入れた。「日産に依存しているだけでは部品メーカーの競争力は高まらない」としてカルソニックを切った。カルソニックの業績は好調だが、日産への依存度が高すぎるのが最大の難点だった。
 

鬼怒川ゴム工業、オートモーティブエナジーサプライも系列から切り離す

 日産は同様の理由で、今夏、鬼怒川ゴム工業を系列から切り離した。日本政策投資銀行が実施したTOBに応じ、日産が保有する20.2%の株式を売却した。日本政策投資銀行のファンドが500億円を投じ、鬼怒川ゴムの株式を議決権ベースで92.4%取得、10月21日に上場廃止となった。

 鬼怒川ゴムは自動車の防振ゴムを製造しており、16年3月期の売上高は761億円。売り上げの過半が日産グループ向けだった。上場企業でなくなり、経営の自由度が増したことから、今後、日産以外の販路を拡大する。

BusinessJournal編集部

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