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日本、外国人労働者からも見放され未曾有の人手不足か…中国農民、日本に大量流入

構成=小野貴史/経済ジャーナリスト
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 人手不足対策の処方箋は、あくまで自国民の労働者が入ってきたいと思えるような労働条件を示せる職場に変わることです。それが最終的な解決策です。それと同じ条件で外国人も受け入れないと、経済格差が縮まるにつれて、日本で働くメリットがなくなっていきます。その時代は日本人が思っている以上に急速に迫っています。

移民政策

――技能実習制度とEPAで人手不足に対応できないとなれば、いよいよ移民政策しか残されていないという事態になりませんか。

丹野 元日本銀行副総裁の岩田一政氏(日本経済研究センター代表理事)が移民政策の推進を主張しているように、今は移民政策を語ること自体はタブーではなくなりました。ただ政策にするには、まだまだハードルが高いのが現状です。

 私個人の意見としては、今の労働環境で外国人を増やすことには反対です。誰にとっても良いことがありません。まず日本人の労働条件を上げて、それでも採用できない領域に外国人を受け入れていかないと、最終的には日本全体が滅んでしまいます。

 建設業を例に取れば、日本人労働者が集まらないのは当然です。2010年と少し前のデータですが、公共事業の現場労働者の雇用保険及び社会保険・厚生年金の加入状況が元請では雇用保険87%、社会保険・厚生年金93%、一次下請では雇用保険72%、社会保険・厚生年金66%、二次下請では雇用保険53%、社会保険・厚生年金46%と下がっています。人手不足の状況にあって、社会保険や年金にも加入していない会社に、若い人が来てくれるはずがありません。

――そういう会社は就職先の候補にすらなりません。

丹野 来てほしいのなら、「せめて社会保険と年金に加入してくれよ」としか言いようがありません。そもそも社会保険や年金を払えないような会社が存続していること自体、問題だと思います。そういう会社でも存続できていることで、過当競争が起きているのです。社会保険と年金を支払える会社だけに集約するような産業構造の転換が必要で、構造転換をしないまま「人が足りない」と言って、保険も年金も払えない会社が人を採用してしまうのは最悪のパターンです。

――マトモな雇用のできる会社だけが生き残れるようにしなければなりませんね。

丹野 そうです。介護業界なども市場原理だけに任せないで、雇用条件が劣悪な事業者は淘汰されるという政策的な底上げが必要です。きちんと雇用できる会社にマーケットが集約されるように、行政側がある程度仕向けていくことが本来は必要で、それを実施しながら足りない部分は外国人で補う手段を取るべきです。

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