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有馬賢治「日本を読み解くマーケティング・パースペクティブ」

埼玉「自虐」漫画が埼玉で驚異的ヒット!地元愛溢れすぎの商品、なぜ全国でヒット続出?

解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=A4studio

 他方、人は味に対しては一般的には保守的なもので、地域色を出し過ぎると、一般受けする味から遠ざかってしまうこともありそうだが。

「味の好みは千差万別です。しかし、万人受けを狙って中庸な商品を作っても、面白みに欠けて、結果として似たり寄ったりの味になってしまいます。一方、地方のスーパーでは、地元企業銘柄の味噌や醤油が、全国展開されている定番銘柄よりも圧倒的に多く陳列されている場合もあります。このように、各地域が一般的な味に合わせるのではなく、“ならではの味”を貫き、万人受けしなくても地元で愛されれば良いという姿勢で商品展開をすることでヒット、定着しているものも多いようです。このようなナショナルブランドにはないオリジナリティや潔さが、今のローカルブランドには求められているのだと思います」(同)

東京進出より地元

 ではなぜ、地域を盛り上げようとする商品が昨今増えているのか。

「今はインターネットが普及しているので、地元にいても得られる情報量は都内の人とそこまで大差はないでしょう。したがって、東京に住むことが必ずしも魅力的なことではないと考える地方の若者が地元に残り、地元企業に勤めて自分たちの街を盛り上げようとしていることが、斬新なアイディアを持つ商品が地方からたくさん生まれている要因のひとつなのではないでしょうか。

 さらに、今は地方のCMなども無料動画サイト『YouTube』で視聴ができますし、ふるさと納税制度もあって、ローカルな商品でも多くの人に知ってもらえるチャンスは多く、プロモーションを工夫すれば一気に話題となることもあります。これに加えて、通販などのお取り寄せ文化が一般的になったことで、各地方からでも面白い商品を全国に向けてPR、発信ができるようになっていると考えられますね」(同)

 食品である以上、味でファンを獲得しなければ長続きする商品にはなり得ない。ご当地独自の特徴を伸ばして、地元の人を中心に、観光客や地元以外の人にもトライアルしてもらうといった消費のバランスが、各地域発の人気商品を生み出す秘訣となっているようだ。
(解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=A4studio)

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