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韓国、男性と女性の対立が過激化で社会問題化…無差別リンチも、若い女性が一斉摘発

文=高月靖/ジャーナリスト
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10万フォロワーを集めたSNSの「告発アカウント」

 女性6人のうち5人は在宅のまま書類送検されたが、25歳の「J」は10月20日に身柄を拘束・起訴された。「犯行が重大かつ悪質」「再犯・逃亡の恐れがある」と判断されたからだ。

 タレント志望の「J」はモデルやドラマの端役などを経て、平凡な会社の非正規従業員をしていた。米資本の大手SNSでアカウントを開設したのは、今年5月。富裕層の子女らが夜遊びを楽しむソウルの地名「江南」、それと韓国で人気の芸能ゴシップサイト「ディスパッチ(Dispatch)」をもじって、アカウント名を「江南パッチ」と名づける。

「江南パッチ」は男女問わず、江南のクラブに集まる裕福な若者、成功した実業家、芸能人らを狙った。「インテリぶっているが実は低学歴」「整形中毒」「海外売春の常習者」――。ハイクラスな人々の「暴露話」はすぐ大きな反響を集め、数カ月で10万超のフォロワーを獲得。やがて閲覧者からも情報と画像を集めて公開するようになった。「J」に虚偽の情報を大量に提供していた24歳のモデルも、摘発された5人のうちの1人だ。こうして被害者は約120人まで膨らんだ。

 供述によると、犯行のきっかけは「江南のクラブで中堅財閥会長の孫娘と知り合ったこと」。「J」はこの孫娘を皮切りに、恵まれた人々の中傷で日々の鬱憤を晴らしていたという。

「女性の敵」を吊るし上げる無差別ゲーム

「江南パッチ」が話題を集めると、同じSNSで模倣犯が次々に登場した。ここから次第にターゲットが男性に絞り込まれ、「犯罪常習」「DV男」といった根も葉もない罪状で吊るし上げられるようになる。つまり「女性の敵に制裁を与える」という大義名分の下、不特定多数の男性に対する無差別リンチがブーム化したわけだ。

 そんなアカウントの1つで8月末に書類送検されたのが、「韓男パッチ」。「韓男」は韓国男性を嘲笑するネットスラングが語源だ。アカウント所有者で無職の「Y」(28歳)は閲覧者から情報を募り、不特定多数の男性の氏名、勤務先、顔写真を公開。「初デートで強引に迫った」「デートの相手を酔わせて暴行した」「売春マニア」などと虚偽の告発を繰り返した。「Y」は整形手術の結果をめぐって病院と訴訟トラブルを起こしたことがあり、男性医師への恨みからネットでの中傷に耽るようになったという。

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