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片山修のずだぶくろトップインタビュー 第5回 斉藤惇氏(KKRジャパン会長)前編

経営危機だった日立と東芝、明暗の分かれ道…日立は再建で過去最高益、東芝は存亡の危機

構成=片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家
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斉藤 それがウソだとは思いませんよ。報酬が低いというならば、上げればいいと思いますね。

片山 日本は格差に敏感で、経営者の高額報酬をよく思わない人が多い。すぐに批判しますよね。実際、ゴーンさんも平井さんも批判される。

斉藤 それは、批判するほうに問題がある。能力がある人は数億だって10億だって、もらっていい。そのかわり、退任後は会社の世話にはならないようにする。年金だってあるし、数億円も稼いでいれば悠々自適ですよ。

 退任後に、運転手付きのクルマが欲しい、ゴルフをしたいというのならば、自分のお金で存分に楽しめばいい。アメリカでは、運転手付きのクルマは最高級の贅沢です。社長在任中でも自分で運転するか、もしくは個人で運転手を雇っています。

 東京では黒塗りの自動車が大量に走っていますが、そのほうが異常なのです。国内では高齢のタクシードライバーが増えているのだから、社長になったら、会社で運転手を付けるより、彼らを個人で雇ったらいい。

マイカンパニーという意識

片山 日本にはプロの経営者が少ないという話ですが、だいたい、日本にはプロの経営者が育つ環境がありません。いかにして彼らを育成すればいいのでしょうか。

斉藤 簡単にいえば、プロ野球選手と同じですよ。経営者も、例えば北海道日本ハムファイターズの大谷翔平選手と同じように育てる。

片山 彼の今年の推定年俸は2億円です。確実に能力を備える優れた人材を採用して、お金をかけて大事に育てるということですね。

斉藤 それから、賛否両論ありますが、日本電産の永守重信さん、ソフトバンクの孫正義さん、京セラ創業者の稲盛和夫さん、楽天の三木谷浩史さんなどは、プロの経営者だと思いますよ。

片山 みんな創業者、つまり起業家ですね。育成されたというよりは、自ら育った経営者ですね。サラリーマンあがりの社長とは、根本的に資質が違う。

斉藤 彼らにとって、会社は「マイカンパニー」です。必死に会社のためを考えるし、リスクをとって大きな決断ができる。ソニーだってパナソニックだって、昔はそうだったんですよ。

片山 今や、大きくなり過ぎましたね。

斉藤 盛田昭夫さん本人に聞きましたが、ソニーの草創期には、風呂敷に“江崎ダイオード”を包んで、ご自身が売って歩いたそうですよ。ところが、今は、大企業ソニーに入社したサラリーマンは、そういう苦労はすっ飛ばしてしまうでしょう。

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