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片山修のずだぶくろトップインタビュー 第5回 斉藤惇氏(KKRジャパン会長)前編

経営危機だった日立と東芝、明暗の分かれ道…日立は再建で過去最高益、東芝は存亡の危機

構成=片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家
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斉藤 何が悪いかといえば、消費者が立ち上がらないのが一番いけない。つまり、われわれ消費者の自己責任なのです。ですから、投資信託にしても、成績が悪いなど、投資家と運用受託者の間にコンフリクト(対立)があるなら、投資家は立ち上がって「こんな下手な運用をするな」と運用受託者に文句を言って戦うべきなんですね。

 運用受託者は、百歩譲って大きな金融機関の子会社でもいいとしましょう。その場合であっても、常に「投資家のため」を考えて運用することが重要です。とくに投資信託の場合、町のおじいちゃん、おばあちゃん、サラリーマンの方々もいっぱい買っておられる。その人たちのことを考えて運用すれば、自分は大きな組織の中のひとりであって、責任はないというような考え方にはならないはずです。

片山 運用受託者の「責任ある心がけ」は、制定するまでもなく、当然のことですよね。

 日本でも米投資ファンドのサード・ポイントなどが話題になっていますが、機関投資家のなかでもアクティビストについては、どのように考えればいいですか。

斉藤 アクティビストと一言でいっても、さまざまです。債権者や従業員など、企業の関係者が犠牲になろうがかまわない、という考え方はダメですよ。企業経営をリスペクトした提言でなければいけません。

 ただし、アクティビストが全部悪いとは思わない。例えば、足を引っ張っている事業を切れば利益率が高くなるという場合、それを提案することは、あっていいと思いますね。

【斉藤さんの素顔】

片山 ストレス解消法を教えてください。

斉藤 もう何十年も家庭菜園をやっています。畑を耕すことですかね。土日に畑をやるから、だんだんゴルフをしなくなってしまった。野菜だけじゃなくて、花とか木とか、いろいろ育てています。

片山 ご自分の性格を一言で表すとどうですか。

斉藤 “変人”ですね。僕は自分の世界があって、いわゆる高価な絵だとか何年もののワインだとか、そういうことに全然関心がないんです。

(構成=片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家)

片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家

片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家

愛知県名古屋市生まれ。2001年~2011年までの10年間、学習院女子大学客員教授を務める。企業経営論の日本の第一人者。主要月刊誌『中央公論』『文藝春秋』『Voice』『潮』などのほか、『週刊エコノミスト』『SAPIO』『THE21』など多数の雑誌に論文を執筆。経済、経営、政治など幅広いテーマを手掛ける。『ソニーの法則』(小学館文庫)20万部、『トヨタの方式』(同)は8万部のベストセラー。著書は60冊を超える。中国語、韓国語への翻訳書多数。

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