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独裁的国家・韓国、制御不能の非常事態突入…国民の閉塞感剥き出し、朝鮮半島危機か

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 安哲秀氏は医学を学び、その後、コンピューターのウィルス対策ソフトを開発し成功をおさめた。2012年の大統領選挙への出馬を表明したことが本格的な政治活動のスタートであり、比較的、政治経験は浅い。安氏は既存の政治を変えてほしいという国民の要望に応えたいとの情熱を持っており、若手政治家の育成など、旧来の政治、経済運営との決別を呼びかけている。

今後の韓国政治の展開予想

 
 各候補の主張、支持率の動向を見ると、中長期的な観点で政治、経済体制の刷新が進むかは心もとない。もし、有権者の支持を得るために財政出動の増加など、耳触りの良い主張ばかりが出始めると、政治家、有権者ともに近視眼的に行動しがちになる。そうなると、財閥支配の経済を改革したり、公正な政治基盤を整備することは難しい。その意味で、韓国は独裁色の強い擬似的な民主主義・資本主義体制から脱却できるかどうかの重要な局面に差し掛かっていると考えられる。

 韓国に求められることは、政治が漂流するなかで国全体がまとまり、国政改革、経済の構造改革を進めることだろう。特に、政治、経済、軍事の分野で決定権を持つ大統領の権力を分散させることは不可欠だ。独裁色の強い権力者が、財閥企業を重用して経済成長を重視してきた結果、韓国では歴代大統領と財閥企業の癒着が続いた。そして、財閥企業の業績が拡大しても、その企業に属さない国民は経済成長の恩恵を受けることができなかった。この政治・経済の構造にメスを入れない限り、韓国社会の閉塞感、不安定感をぬぐうことはできないだろう。

 韓国の政治がふらつき始めると、北朝鮮がミサイルの発射や核実験等の軍事的な挑発を仕掛けて米国に制裁解除を迫るというように、朝鮮半島、極東情勢は一段と不安定化しやすい。その場合、中国は韓国との関係を強化して北朝鮮の暴発を抑えようとするだろう。突き詰めて考えると、韓国の社会不安をトリガーにしてアジア地域での中国の存在感が強まり、米中双方が警戒し合うなど、国際情勢に緊張が走る可能性もある。

 このように韓国の政治は、国内社会の中長期的な安定だけでなく、朝鮮半島情勢、そして国際情勢をも左右する重要な局面を迎えているとみるべきだ。今後は、韓国社会が冷静に今回のスキャンダルの原因を究明し、その教訓を生かして政治・経済の安定に向けて改革を進めることができるかが問われる。
(文=真壁昭夫/信州大学経法学部教授)

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