ついに、待望の次世代ゲーム機「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」を発表したゲーム業界の巨人・任天堂。スマートフォン(スマホ)向けゲームアプリ「ポケモンGO」やリオデジャネイロ五輪閉会式の「安倍マリオ」、さらにスマホアプリ「スーパーマリオラン」などによって、任天堂のコンテンツ力があらためて注目を集めている。
しかし、いくら新しいゲーム機を発表し、キャラクターが再注目されても、任天堂の厳しい現状に変わりはないという。そこで、任天堂が持つ企業体質をあらためて検証したい。
任天堂、キャラビジネスに本格進出か
「任天堂の倒し方、知ってますよ」
これは、かつてモバイルゲームで大きな収益を上げていた企業の面接官が言ったとされるセリフだ。この企業は、スマホ市場のトレンドに乗り切れずに没落した。
一方、何が起きても山のように揺るがなかった任天堂が、ここにきて大きな動きを見せている。
今年7月にリリースされた「ポケモンGO」が大ヒットすると、8月のリオ五輪の閉会式では安倍晋三首相がスーパーマリオに扮した「安倍マリオ」で登場、マリオが超人気キャラクターであることをあらためて世界にアピールした。9月には「スーパーマリオラン」を12月に配信することを発表し、「いよいよ、マリオがスマホに進出する」とセンセーションを巻き起こした。
また、任天堂はユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)と提携し、マリオなどのキャラクターを使った新アトラクションを建設することも発表済みだ。
「これらのプロジェクトは、まだ任天堂に利益をもたらしていません。しかし、これまでかたくなに家庭用ゲームだけをつくり続けていた任天堂が、ようやくマリオやドンキーコングなどの版権を開放し、本格的にキャラクタービジネスを展開しようとしている。これは、大きな変化といっていいでしょう」
そう語るのはゲームライターだ。そして、そんななかで今年10月に発表されたのが、次世代ゲーム機「ニンテンドースイッチ」である。
ニンテンドースイッチは期待はずれ?
スペックや対応ソフトなどはまだ明らかになっていないが、ニンテンドースイッチは携帯機と据え置き機のコンバーチブル仕様による、まったく新しいゲーム体験をうたっている。
しかし、ゲーム業界では、このニンテンドースイッチは任天堂の「終わりの始まりなのではないか」ともささやかれている。たとえば、ゲームアナリストのA氏は、険しい表情で「まったく評価できない」と語る。