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日本がTPP批准!トランプ米国の激烈な対日要求必至…危険な防カビ剤使用食品の規制緩和

文=小倉正行/フリーライター
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(3)共済

「協同組合が経営する保険事業、すなわち『共済』は、日本における保険業界において相当な市場のシェアを保有している。『共済』の中には、すべての民間保険会社を規制している金融庁(FSA)に代わり、当該組織を所管する省庁(例えば農林水産省や厚生労働省)によって規制されているものがある。これらの別々の規制スキームは、各規制環境を生み出すとともに、競争相手の民間企業に対して重大な業務上、規制上、その他の優位性を『共済』に与えている。米国政府は、また、『共済』に対する金融庁の監督権限が限定的であることに引き続き懸念を有している」

「TPP以上」に厳しい要求

 では、以上の内容がどのような意味を持っているのか、以下にみていきたい。

(1)食品添加物

 米国では食品添加物数は2553品目あるのに対して、日本は1497品目であり、1000品目以上の差がある。日本で使用を認められていない食品添加物を使用した加工食品は、日本に輸出することができない。米国政府は、米国で使用を認められている食品添加物で、かつ日本で使用を認められていない食品添加物を認可するよう求めており、日米FTAでも重要なテーマになることは必至である。

(2)収穫前・収穫後に使用される防カビ剤

「OPP」や「TBZ」は、輸入レモンや輸入グレープフルーツなどに表示されている防カビ剤である。米国から輸出される際に散布され、レモンやグレープフルーツに輸送中カビが発生することを防いでいる。OPPやTBZは米国ではポストハーベスト農薬だが、日本では食品添加物扱いで、表示義務が課せられている。米国政府は、その表示が輸入レモンや輸入グレープフルーツの売れ行きを阻害していると考えており、表示義務撤廃を求めている。これも日米FTAでは重要なテーマとなる。

(3)共済

 共済は、日本の保険市場の契約件数で約2割を占めている。米国の保険会社は、共済との「競争条件の同一性」が確保できれば、共済分野にも自らが進出し巨額な利益を確保できると狙っている。

 当然、TPPで日本政府が米国政府に対して示した関税撤廃と非関税撤廃の水準は、日米FTAの出発点になる。つまり、日本にとってTPPより緩い水準になることはあり得ないのである。それだけ、日本の農林水産業と食の安全にとって、日米FTAは脅威なのである。
(文=小倉正行/フリーライター)

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