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あの弁当のオリジンまで「ちょい飲み」参入…すぐに千円超え、割高でコスパ悪い?平日夜1時間でお客ゼロ

文=喜屋武良子/清談社

競争激化で淘汰されるちょい飲みが続出か

 もうひとつ見逃せないのが、飲食店を訪れる消費者のニーズの移り変わりだ。

「2011年の東日本大震災以降、『早く家に帰りたい』という心理状況も手伝って、外食市場全体が縮小していきました。なかでも、消費者が外食に使うお金でもっともカットしたのが『居酒屋』や『二軒目などのはしご酒』です」(同)

 また、リーマン・ショック以降の景気低迷も、消費者の居酒屋離れと無関係ではない。そこで、「短時間で軽く食べて飲む」というちょい飲みスタイルが需要とマッチしたのだという。

 実際、外食市場は縮小しており、とりわけ居酒屋は悲惨な状況にある。好調なのは「鳥貴族」「磯丸水産」「塚田農場」など比較的新しいチェーンだけで、古いスタイルの総合居酒屋チェーンは苦戦を強いられている店舗が多いとされる。

 ただし、ちょい飲みサービスを提供する企業が増えれば、次に始まるのは激しいシェア争いだ。「オリジンに限らず、今後はブランド力のあるナショナルチェーンのちょい飲み市場への参入が増えていくのでは」と山路氏。

 そうなると、現在各企業が展開しているような既存のメニューや店舗の流用といったやり方では、今後は生き残れない可能性もある。

 実は、筆者がキッチンオリジン江古田店に行った際、21時から小1時間ほどイートインに座っていたが、その間のちょい飲み利用客はゼロ。メニューを見ても、働く女性をターゲットにしながら、酒類のメニューは生ビールとレモンサワーとハイボールだけだった。コストパフォーマンスや量よりも栄養バランスを重視する女性が、平日の夜からイートインで中年男性のようにレモンサワーやハイボールをあおるだろうか。

 お酒を飲むことに対する消費者の意識が変化し、選択の幅が広がっている以上、ちょい飲みも「ただ出せばいい」というわけではなさそうだ。
(文=喜屋武良子/清談社)

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