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深刻な赤ちゃんの夜泣きを、一発でなくす方法? カギは「手抜き」?

文=牛嶋健/A4studio
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 欧米では、母乳を与えるのは最初期のみで、その後はミルクだけという母親も多いです。そうすると比較的早い時期から父母ともにお酒を飲み、酔っぱらって子どもに覆いかぶさってしまったり、お酒は飲んでいなくても大人のベッドの間に子どもが挟まれて窒息してしまうなど、事故リスクのほうが高いと考えられています。

 また、SIDSの大きな要因は柔らかい寝具の使用であるとされていて、固いベビーベッドに1人で寝かせるのが、むしろ安全だと考えています。

 もちろん、欧米の母親でも『Cry it out』をするのが心配という方もいます。その場合、ベビーモニターを使用したり、泣かせっぱなしにするのではなく、もう少し母親への心理的負担が少ない方法で夜泣きを解消したりしています」

睡眠のリズムを理解する

 では、その「心理的負担が少ない方法」とは、どのようなものであろうか。

「一番最初は子どもが寝ているベビーベッドのすぐそばに椅子を用意して、子どもを寝かしつけるまでそこにいるようにします。そして、椅子とベビーベッドの距離を毎日、少しずつ離していき、最終的には1人で眠れるようにするといった具合に、少しずつ1人で寝られるようにサポートしていくような方法が取られることもあります。

 私たち団体がオススメしているのは、まず子どもの睡眠の仕組みを知ることです。乳幼児期の子どもは大人よりもレム睡眠とノンレム睡眠の間隔が短いということが知られています。子どもは夜中、基本的には1時間おきに起きられるような仕組みを持っているんです。大人は眠りが浅いと寝言を言ったりするわけですが、赤ちゃんの場合は言葉は話せませんので夜泣きになるわけです。

 そういった生理的な仕組みで起こる夜泣きの場合、少し経ったらまた次の睡眠サイクルに入っていくことがほとんどですから、抱っこして揺らしてあげたりといった方法をする必要はなく、むしろ、その刺激によって完全に起きてしまったり、それがないと安心して眠れないと子どもが学習してしまい、夜泣きを助長してしまうのです。

 寝言泣きになるべく反応しないことが夜泣き予防や改善につながりますが、何もしないでいることに罪悪感を感じてしまう場合は、保護者の方が横になりながらできる、例えばお子さまのおなかや頭に手を添えてあげる程度の刺激の少ない方法をオススメしています。

 この方法に慣れてくれば、お子さまも夜泣きしてもすぐに寝てくれるようになりますが、最初のうちは大泣きしたり、長時間泣くこともしばしば。さらに、ママの判断だけで突然始めてしまうと、パパから『おっぱいで泣きやむのに何でおっぱいあげないの?』と咎められることもあるので、子どもの睡眠を安定させるために夫婦できちんと方法を確認したり、話し合うのがいいでしょう」

 夜泣きの原因が、子どもの睡眠リズムに関係していることを知らない保護者は日本でもきっと多いだろう。

「このように子どもの睡眠について学ぶということが、ひとつの突破口になります。NPO法人赤ちゃんの眠り研究所では、赤ちゃんは夜起きるのが当然と知った上で、さまざまな方法があると学んでもらうようにしています。今回お伝えした夜間の対応だけではなく、子どもらしい早寝早起きの生活リズムに整えてあげることで、眠りが改善することも多くあります。夫婦のどちらかが我慢するという解決策以外の方法もきっとあるはずですから、色々と実践してみると良いでしょうね」

 実際に、清水氏が紹介する方法を数日間、筆者の娘で試してみたら、抱っこしたりミルクを与えなくても、そのまますぐに眠れるようになり、妻からも喜びの声が上がった。

 子どもの睡眠について学び、それを夫婦で共有すれば、夜泣きに悩まされる日々を終わらせることは意外と簡単なのかもしれない。
(文=牛嶋健/A4studio)

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