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小薮浩二郎「食品の闇」

食品に紛れ込んだゴミに関する「不気味な話」…時間経過による「変色」の謎

文=小薮浩二郎/食品メーカー顧問
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 大工さんは完成した犬小屋を依頼主に引き渡す前に、ゴミが残っていないか調べます(=検査)。万一、犬小屋の中に釘が残っていたら大変ですね。その釘を愛犬ポチが食べてしまったら、どうなるでしょうか。

 添加物の場合、原料として使用したいろいろな物質、途中の物質などが不純物となります。AとBを反応させCをつくる場合、化学反応は100%進むことはないのです。工業的に合成する場合、60~80%進めば上出来。簡単な反応であればもっと進む場合もあります。実際は、副生物D、Eなども共存します。

 この場合、反応容器内にA,B,C,D,Eが共存することになります。このなかから精製工程を経て、Cを取り出すのですが、精製が不十分だとA,B,D,Eといった不純物がCに混入します。

 個々の不純物が人体に入った場合どのような影響を与えるのかは、ほとんどわかっておりません。添加物の品質は、食品衛生法に基づく「食品、添加物等の規格基準 厚生省告示」【註:「厚生労働省」ではなく「厚生省」。ときどき厚労省が改正しています】により非常に甘く定められており、添加物メーカーにとって都合のよい内容になっています。

(2)添加物の製造後に生成する不純物

 食品添加物には無機化合物と有機化合物とがあります。ほとんどの添加物は有機化合物です。有機化合物は時間が経つと変化していきます。これを経時変化といいます。身近な例として、牛肉が褐色に変化するケースです。これは、牛肉中の色素タンパク質であるミオグロビンが、空気中の酸素と化学反応を起こし、メトミオグロビンという褐色の物質に変化するためです。家庭用の調味料を放置しておくと、色が変わりますが、これも経時変化です。

 有機化合物である添加物は、当然ながら経時変化する場合があります。合成添加物であるビタミンC(アスコルビン酸とも言います)は、もともと白色ですが、長期間放置するとインスタントコーヒーのような褐色に変化します。

 次回、添加物の不純物についてもう少し説明します。
(文=小薮浩二郎/食品メーカー顧問)

小薮浩二郎/食品メーカー顧問

小薮浩二郎/食品メーカー顧問

1945年、岡山県生まれ。九州大大学院農芸化学専攻(栄養化学講座)修了。製薬会社の研究部門ほか、添加物開発の最前線で添加物研究に従事する。研究歴40年以上で、第一人者。現在は、食品会社の顧問、食品販売会社特別顧問(品質管理)に携わる。著書に「悲しき国産食品」「食品業界は今日も、やりたい放題」「食品選び・おとなの知恵 ちょっと高くても、コッチ!」など。

Twitter:@eQuqANeNct8MdU5

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