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東北大、3200人を一斉「雇い止め」に職員が反対運動…大学側が一方的に規則変更

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 今回の東北大は、この考えに基づいた行動をとっている。非正規職員が無期契約に転換できないように、法の趣旨とは真逆に5年で雇い止めにする就業規則を制定したことが騒動の原因なのだ。

 労働基準法89条で、労働者を10人以上抱える職場は就業規則を作成して労働基準監督署に届けることが義務づけられており、同法90条では、改正するときは職場の過半数の労働者から意見を聴取することが定められている。これらに違反した場合、罰金30万円以下の刑事罰を受ける。

 職員の過半数が加入する労働組合があれば、経営側は労組から意見聴取することもできるが、そのような労組がない場合は、意見を聴くための「過半数代表者選挙」を実施する。ところが東北大学では、5年で雇い止めとする条項を盛り込んだ就業規則改正に際して、過半数代表選挙を実施しなかった。

 この点について大学側は、6月に東北非正規教職員組合および首都圏大学非常勤講師組の2労組が参加して行われた団体交渉において、「5年上限の改正案を出した直後に過半数代表選挙は実施していないが、以前(それより約1年前)に選出した過半数代表者が意見を述べられるため問題ない」という趣旨の説明を行った。

東北大の強弁


 さらに、「従来3年が雇用期限上限だったのを、新しい就業規則では5年に伸ばしたのだから不利益変更に当たらず、過半数代表選挙を実施する必要がない」と述べ、そもそも職員側の意見を聴く必要もないとの見解を示した。

 確かに、東北大には非正規職員の雇用期間に関し、3年を上限とする就業規則があった。しかし実際には、毎年契約を更新し続け、通算10年、20年と勤め続けている人が多くいることがわかった。形式は契約期間を定める有期契約だが、実質的に無期雇用に近い状態の人たちも多いのだ。つまり、3年を上限とする従来の就業規則は形骸化していたといえる。

 従って、上限を3年から5年に伸ばしたのだから職員側に不利益はないという大学側の説明は詭弁といえる。今までは、10年、20年と勤められた人たちの契約期間が、一律最長5年に短縮されてしまうわけで、不利益をもたらすことは明白だ。

 そのうえ、団交に出た人事担当者は「解雇に慣れていないので」と一言漏らした。職員を解雇するには、さまざまな条件を満たしていなければならず、多くの手続きも要する。その点、最初から5年を上限とする契約を締結し、雇い止めにしてしまえば、トラブルの種となりかねない解雇を避けられる。こういった発想が、当事者の非正規職員らの反感を買っている。

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