
クリスマス・イブの今月24日、大手宅配ピザチェーン「ドミノ・ピザ」では大幅な配達遅延や、店頭でも予約した時間に客が商品を受け取れず数時間も待たされるという混乱が起きた。クリスマス・イブにピザの注文が多くなるのは当然予想される事態だが、同業他社では同様の混乱が起こっていたのだろうか。
まず、「ピザハット」に問い合わせたところ、「一部の店舗で、お客様にご迷惑をおかけした時間もございました。個別に対応しております」とのこと。また、「ピザーラ」は「この時期売上がピークに近く、遅れがなかったわけではないですが、お客様に連絡したり、お詫びするなど、個別に対応しました」とのことである。混乱というほどの遅延はなかったようだ。
では、なぜドミノ・ピザでだけ混乱が起きたのか。本部に電話したところ、担当の事務所から電話させるとのこと。そして、しばらくして電話がかかってきた。
「ドミノ・ピザではHPにお詫びを掲載しておりまして、申し訳ありませんが、それ以上にお答えすることはできかねます」
確かに、ドミノ・ピザのHP上には、以下の文面のお詫びが掲載されている。
「12月24日(土)は想定を大幅に上回るご注文をいただき、多くのお客様に配達遅延や店頭受け渡し遅延でご迷惑をお掛けいたしました。この結果を深く反省して、今後よりよいサービスを提供できるように、スタッフ一同で取り組んでまいります。このたびは大変申し訳ございませんでした」
しかし、混乱に至った原因は説明されていないので、続けて質問をした。
――御社のホームページにはスコット・オルカー社長のメッセージがあり、そこには「日本中に笑顔を」と書かれています。宅配時間のクオリティ向上にも触れられています。今回の混乱はそれにまったく反したことで、会社として説明する責任があると思いますが、いかがですか。
ドミノ・ピザ担当者 今はご迷惑をおかけしたお客様の対応に追われておりまして、お詫びの言葉以上に申し上げることはできかねます。
――お客様への対応が落ち着いたら、取材に応じていただけますか。
ドミノ・ピザ担当者 そちらも今の時点では、お約束できかねます。
最後に念のため対応いただいた担当者の名前を尋ねたところ、ドミノ・ピザの社員ではないとのことである。現在、多くの企業が受付業務をコールセンター専門の会社などに委託しているが、自社が引き起こした混乱についての説明までを、別会社に委託しマニュアル通りの回答をさせているというのでは、混乱への責任を感じ取ることは難しい。
では、今回なぜドミノ・ピザでこのような事態が起こってしまったのか。飲食プロデューサー・江間正和氏は、次のように解説する。