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日本の自動車、トランプ就任で米国から一斉に「締め出し」の危機…輸入品に「制裁的」超高額関税の恐れ

文=編集部
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 NAFTAとは米国、カナダ、メキシコ3カ国が相互に市場を開放し自由貿易圏をつくるための地域協定である。1994年1月に発効し、08年1月に関税が完全に撤廃された。カナダやメキシコへの農畜産物の輸入増など米国にもメリットは大きいが、一方で自動車を中心とする製造業の生産拠点の流出を招いた。

 トランプ氏は選挙期間中、国内の雇用を維持するとしてNAFTAの再交渉を公約に掲げた。米国がNAFTAから離脱や再交渉することになれば日系企業が形成してきたサプライチェーンは崩壊しかねない。

 地下資源に恵まれ経済発展が著しい国々をBRICSと呼んだ時期がある。ブラジル(B)、ロシア(R)、インド(I)、中国(C)、南アフリカ(S)をつなげた造語だ。日系企業はこぞって、ブラジルに進出した。

 しかし、資源バブルが弾けブラジル経済は急激に悪化。日系企業が次の進出対象地域としたのがNAFTA経済圏である。

 東京商工リサーチがこのほどまとめた調査によると、NAFTA経済圏である米国、カナダ、メキシコに進出している日系企業は1919社。合わせて5931拠点を展開している。拠点数は製造業が3分の1でもっとも多く、そのなかでは自動車関連の比率が高い。

 国別に見ると、米国が5010、カナダは392、メキシコは529。メキシコについては製造業が5割を占め、業種では自動車部品・付属品製造業がもっとも多い。

 NAFTAの見直しや関税の引き上げが実施された場合、日系企業は世界戦略の見直しや再構築を迫られる可能性があり、日本経済に大きな影響を与えそうだと、商工リサーチは指摘している。東日本大震災の際に、自動車産業が世界規模で生産ストップしたことを例に挙げ、メキシコでの生産計画に支障が生じた場合、NAFTA経済圏に直接進出していない日本国内の中小企業にも影響が波及しかねないとしている。

日系自動車メーカーはメキシコに軒並み進出中

 メキシコは米国、カナダをはじめ日本を含めた世界45カ国と自由貿易連携協定(FTA)を結んでいる。メキシコで生産した工業製品はフリーパスで北米に輸出できるメリットがある。

 しかも、メキシコの人件費は米国の10分の1程度で、中国やブラジルよりも安く安定している。日産自動車トヨタ、本田技研工業(ホンダ)は第2工場を建設し、マツダも工場を建設するなど、日本の自動車メーカーの進出ラッシュとなった。

BusinessJournal編集部

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