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石堂徹生「危ない食品の時代、何を食べればよいのか」

ココイチ事件で重大な問題浮上…食の安全を揺るがす違法業者が跋扈

文=石堂徹生/農業・食品ジャーナリスト
ココイチ事件で重大な問題浮上…食の安全を揺るがす違法業者が跋扈の画像1カレーハウスCoCo壱番屋の店舗(「Wikipedia」より/Corpse Reviver)

 カレーハウスCoCo壱番屋(ココイチ)の廃棄カツ横流し事件発覚から、ほぼ1年が経過した。この間、2016年10月末には、事件で詐欺罪などに問われた3人の初公判が開かれ、3人とも起訴内容を認めた。

 それに先立って同年7月以降、環境省と農林水産省はそれぞれ関連審議会【編注1】の合同会合などを開催。食品廃棄物等【編注2】の不適正な転売防止対策を強化するために、関連の食品リサイクル法の「判断基準省令」【編注3】改正と、その省令に基づく食品関連事業者(食品の製造・加工、卸・小売、飲食店など)の取組指針であるガイドライン【編注4】策定について、両大臣の諮問に対する答申をまとめるなどのために審議を進めてきた。

 つまり、事件の終結に向けて、行政の対応も大詰めの段階を迎えているというわけだが、実はその一連の審議の中で突然、重大な問題が浮上してきた。

法規制対象外のブローカーが介在か

 その重大な問題とは、何か。関連の審議会の動きを知るために、たまたま環境省中央環境審議会循環型社会部会(第15回、16年9月14日)の議事録を見ていて、次のような同部会事務局担当者(環境省大臣官房廃棄物・リサイクル部企画課リサイクル推進室の田中良典室長)の説明が気になった。

「廃掃法(「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の略称。廃棄物処理法は通称)のもとでの地方公共団体の許認可の及ばない第三者、いわゆるブローカーが排出事業者と処理業者との間の契約に介在して、あっせん・仲介・代理等を行っているケースが議論となりました」

 この聞き慣れないブローカーとは一体、何か。その議論は、いつなされたのか。それは、16年7月6日の環境省中央環境審議会循環型社会部会食品リサイクル専門委員会と、農水省食料・農業・農村政策審議会食料産業部会食品リサイクル小委員会との、第14回合同会合でのことのようだ。

 その議事録によれば、境環省の食品リサイクル専門委員会委員のひとり、全国清掃事業連合会の山田久専務理事(以下、山田委員と記載)が次のように語った。

「今、大変な問題が起きつつある」と前置きした上で、「今回の食品廃棄物の(略)、不適正処理【筆者注:ココイチ事件】をもたらした重要な要因に目を向けるべきです。1つは、廃棄物処理法に基づく処理責任の重さについて、行政や排出企業の皆さんの自覚が希薄になっている」

石堂徹生/農業・食品ジャーナリスト

石堂徹生/農業・食品ジャーナリスト

1945年、宮城県生まれ。東北大学農学部卒。養鶏業界紙記者、市場調査会社などを経て、フリーに。現在、農業・食品ジャーナリスト

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