外国人観光客の交通事故激増が社会問題化…信号無視で日本人死亡事故も発生

「Thinkstock」より

 インバウンド(訪日外国人)増加の勢いが止まらない。石井啓一国土交通相は1月10日の閣議後、2016年に日本を訪れた外国人観光客が前年比21.8%増の2403万9000人だったと述べた。増加は5年連続だ。

 かつての爆買いが影を潜め、百貨店業界などは新たなインバウンド対策に迫られているが、絶対的なニーズがあることは間違いない。最近は東京-富士山-京都-大阪のゴールデンルートだけでなく、その周辺地域にも注目が集まっている。ある旅行ライターは、その最たる例が滋賀県だと言う。

「これまで京都、大阪の影に隠れた存在でしたが、この数年は滋賀県を訪れる外国人観光客が急増しています。15年の外国人延べ観光客数は約47万6000人で、前年比19万人超の大幅増となりました。宿泊客数は約36万人で、前年の18万人から倍増です。京都、大阪のホテルを取れなかった客が流れ込むという事情もありますが、琵琶湖や比叡山延暦寺、冬場のスキー場などが東南アジア客の人気スポットとなっているようです」

 リピーター客が多い台湾観光客は、京都と並ぶ古都・奈良や金沢の兼六園、さらに長野県の地獄谷野猿公苑といった地方にまで足を延ばしている。韓国からの観光客は、地理的に近い九州を訪れる人が多く、大分県の日本百名山・久住山は韓国人グループの登山ツアー客の姿が目立つ。訪日回数が増えるにつれ、訪問先はより広範になっていく傾向にある。

沖縄ではレンタカーの事故率が国内客の3倍に

 沖縄はインバウンドの訪問先として根強い人気を誇っている。16年11月の外国人客はクルーズ船の寄港回数が減ったこともあり、11万200人と3年4カ月ぶりに前年同月を下回ったが、16年度上半期(4~9月)で見ると、合計で123万7000人余りだ。前年同期に比べ35万人、40%の大幅増となった。台北-那覇、ソウル-那覇、南京-那覇、香港-石垣線が新規に就航するなど、航空路線が拡充を続けている。クルーズ船の寄港も大幅に増えた。中国や韓国からの観光客の延びが顕著になっているという。

 ただし、良いことばかりではない。たとえば、外国人ドライバーの運転するレンタカーの事故が急増している。年間約100万人の外国人観光客が訪れた14年度で見ると、外国人のレンタカー利用件数は約8万5000件と前年度の3万7000件から激増し、それに伴って事故も増えた。14年度は物損事故を中心に、約2900件もの事故が発生。事故率は3.4%で国内利用者の3倍以上。路肩に駐車中の車にミラーを接触させるなどの単独事故が多いという。

BusinessJournal編集部

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