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西山美紀「貯蓄スキルの高め方」

家計簿、逆効果の罠…むしろお金が貯まらなくなる人、毎月確実に貯まっていく人の習慣の違い

文=西山美紀/マネーコラムニスト

 貯蓄も、それらと同じです。お金がお財布や普段使いする銀行口座にあると、ついつい使ってしまいますが、貯蓄分を別の口座にサッと移してしまえば「目に届かない」という効果が生まれ、手元のお金でやりくりしようという気持ちになるのです。

月1万円の貯蓄が家計簿上手への近道

「今まで貯蓄できたことがないのに、月に1万円を貯めることができるでしょうか」と相談されることがあります。大丈夫です、まずはやってみることをオススメします。

 なぜなら、月収の手取りが毎月同じ金額ではなくても、なんとかなっているはずだからです。残業により手取りの増減があるほか、社会保険料や住民税が上がれば、支給される給料は同じでも手取りは少なくなります。

 また、最近は給料明細が電子化される会社もあるなど見る機会が減っていますし、銀行の通帳を眺める機会も減っていることでしょう。「今回はお給料が1万円少なかったから、1万円節約しなきゃ」などと細かく計画を立てる人は、あまりいないと思います。1万円少ないなら少ないなりに、その月を過ごしているのではないでしょうか。

 それなら、自動的に1万円を貯蓄分として別の口座に移しても大丈夫なはず。そして、1万円の貯蓄が大丈夫なら、手取り月収の1割を目標に、毎月の貯蓄額を増やしていってみてください(実家暮らしの人、共働き夫婦、お給料が多い人は、1割より多く貯められる可能性大なので、貯蓄額を増やしていきましょう)。

「毎月1万円」などと自分で別の口座に移すのは面倒なので、勤務先の財形貯蓄を申し込むか銀行の自動積立定期預金など、自動的に普通預金から定期預金に無料で振り替えてくれる仕組みを利用するのがオススメです(店頭に行かなくても、インターネットで申し込みができることも多いです)。

 家計簿と向き合って四苦八苦するのではなく、まずは先に1万円を貯めること。そうすれば、「家計簿をつけられないから、自分は貯められない」という失敗体験を味わうのではなく、月に1万円でも貯めたことで「『自分は貯められる』と気づく」という成功体験を味わうことができます。家計簿をつけるのは、まずは成功体験を味わってモチベーションが上がってからのスタートでも、決して遅くないのです。

 では、家計簿が苦手な人や忙しい人は、いったいどんな方法で家計簿をつけたらよいのでしょうか。次回の記事で、詳しくお伝えします!
(文=西山美紀/マネーコラムニスト)

西山美紀/マネーコラムニスト・ファイナンシャルプランナー

西山美紀/マネーコラムニスト・ファイナンシャルプランナー

出版社勤務後、2005年に独立し、FP資格を取得。単に貯蓄額を増やすのではなく、うるおいのある毎日のためのお金の使い方・貯め方について発信。Oggi、ミモレ、マリソル、LEE、日経DUALなどの女性誌・WEB等でマネーコラム連載、取材・執筆・監修等。著書に『お金が貯まる「体質」のつくり方』(すばる舎)、『はじめての積立投資・つみたてNISA・iDeCoもよくわかる!お金の増やし方』(主婦の友社)等。

Twitter:@writerN1225

『お金が貯まる「体質」のつくり方』 お金が貯まるかどうかは、年収の差だけではなく、お金の使い方や日々の生活習慣などの「体質」にありました。ストレスなく、幸せになりながらお金が貯まる人になるシンプルな習慣と考え方について紹介。人生をより豊かに、自由に生きるための37のコツをお伝えしています。 amazon_associate_logo.jpg

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