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山田修「間違いだらけのビジネス戦略」

多くの人気女優が愛用、化粧品THREEが世界的ブレイク…国産素材好評で海外市場爆走

文=山田修/ビジネス評論家、経営コンサルタント
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 09年に船出した同社だったが、その前年にリーマンショックがあったことや、あえてユニークなポジショニングで市場参入したことから、当初の売れ行きは今ひとつだった。11年には東日本大震災による市況の落ち込みもあった。

 しかし、その天然由来成分を従来の化学素材とうまく融合したスキンケア製品が次第に支持を受けるようになった。愛用するようになった女優やタレントなどが自らのSNSで発信、推奨したりして知名度が上がってきたのである。著名な女性芸能人の多くが支持してくれた。

 女性誌「VOCE(ヴォーチェ)」(講談社)が毎年発表している「VOCEベストコスメ」賞は、消費者に大きな影響力を持つ賞である。13年の同賞のスキンケア編でTHREEの製品が6点も入賞した。実は11年にも先行して同賞スキンケア編で3点が同年入賞(上期と下期に顕彰がある)していて話題を呼んでいた。

「今年購入されたお客様の半分以上が20代でした」

 若い女性にも手が届く上級化粧品として認知されている。

最初から海外展開を目指していた

 石橋社長は創業社長だがオーナー社長ではない。ACROは化粧品大手、ポーラ・オルビスホールディングスの子会社として設立されたのだ。石橋社長はそれまでカネボウ化粧品に勤務していて、「RMK」(アール・エム・ケー)、「SUQQU」(スック)などのブランドを立ち上げていた。ところがカネボウの化粧品事業部が06年に花王に売却されたことを契機に、転進を考え始めた。

「ポーラ・オルビスの鈴木郷史社長が、『資金は出すが口は出さない、好きなようにブランドを立ち上げてほしい』と言ってくださった」

 意気に感じた、ということだったのだろう。

 設立以来THREEは急成長し、ポーラ・オルビスグループのなかでブランド・ポートフォリオの拡充と成長に貢献してきた。公開会社ではないので財務内容は公表されていないが、売上高は毎年2ケタ増という勢いで伸び、14年はファンデーションの大ヒットが寄与して前期比5割増、15年も6割増を記録したと報じられている。

「おかげさまで既存店の売り上げもここ2年間対前年で5割増しです」

 快進撃を続けてきているACROのビジネス構成でユニークなのは、店舗展開の構成である。当初からデパートでの対面販売ブランドとして参入した。

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17:30更新
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