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アサヒ、欧州でスーパードライ拡販の巨大構想始動…総額1兆円の連続大型買収

文=編集部

 10月に買収した西欧のビール事業はプレミアムビールが主体のため、営業利益率は17%に上る。12月に買収を決めた東欧5カ国のビール事業も、営業利益率は21%と高い。アサヒGHDは、主力のスーパードライを欧州で拡販させる計画を練っており、相次いで買収した事業と相乗効果を生み出せるかが焦点となる。

 世界首位のABインベブと規模を競うのではなく、アサヒGHDは独自の地位を築くことを狙う。スーパードライは18年から欧州で製造、販売する。国内で断トツのシェアを持つスーパードライが、西欧や東欧の市場に食い込むことができるかが今後の見どころだ。

激烈なスーパードライ戦争を戦い抜いた戦友

 泉谷氏と小路氏には共通点がある。2人は、アサヒビールが負け戦を続け「夕日ビール」と揶揄されていた時代に入社し、ドン底で辛酸を舐めてきた。そして、1987年に発売したアサヒスーパードライの大ヒットで奇跡の大復活を果たしたとき、若手幹部として第一線に立っていた。つまり、アサヒビールの浮沈を目のあたりにしてきた世代だ。

 激烈なスーパードライ戦争を戦い抜いた戦友でもある。泉谷氏はスーパードライが大ヒットした時代に広報で辣腕を振るった。管理部門を歩いてきた泉谷氏が初めて営業を担当したのは、01年に東京支社長に就任したとき。キリンHDを抜いてトップシェアになった年だ。東京支社は、国内最大のマーケットを相手にしている。

「『私みたいな素人でいいですか』と当時の社長(編注:第8代社長の福地茂雄氏)に訊ねたら『世の中変わってきているんだから、変わったヤツに担当させてもいいんだ』と言う。『夜はぜんぶ空けるから、お客さまのところへ連れて行ってくれ』と部下に頼んだ。毎晩、お客と酒を飲み、店に伺った。自分の目で現場を見て、現状に合った判断を行なう。現場、現実、現物の「三現主義」が私の仕事の基本原則です」(「週刊現代」<講談社/11年1月23日号>『社長の風景』より)

 営業の最前線で実績を上げ、03年に取締役に昇進。その後、常務、専務とトントン拍子で出世し、10年3月、第11代社長に就いた。

 対する小路氏は営業一筋。89年、銀座エリアの営業を担う課長に起用された。スーパードライが大ヒットし、息を吹き返した時期と重なる。銀座近辺の飲食店を回り、競合他社の銘柄をスーパードライに替えてもらうのが仕事だ。都内屈指の激戦区といえる銀座には、ライバル各社も凄腕の営業マンが貼り付けている。

BusinessJournal編集部

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