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中国、習近平が恐れる「人民の不満増殖」…続く資金流出と債務膨張で「最悪の事態」も

文=真壁昭夫/信州大学経法学部教授
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 そのため市場参加者の間では、経済指標が良好な内容を示しても人民元は下落基調で推移するとの見方が多い。すでに代表的な仮想通貨であるビットコインは過去最高値を更新している。この背景には、人民元を売り、ビットコインを買う動きが増えていることがあるようだ。

 こうした状況を受けて、中国政府は介入以外の手段を用いて、人民元の売り圧力を封じ込めようとしている。政府は一部の国有企業に対して保有している外貨の売却を求めている。また、個人の外貨購入に対する監視も強化されている。人民元の下落を受けた当局の対応を見ていると、政府は16年年初の市場混乱の時のように、依然として市場原理を管理、操縦することは可能だと考えているようだ。

財政政策・不動産バブル頼みの中国経済

 
 17年年初は、こうした人民元売却を制限する措置を受けて本土や香港市場での人民元の為替レートが急反発する場面もみられている。ただ、政府の圧力と資金流出が重なって人民元の流動性は低下している。この状況下、人民元の反発が続くとは考えづらい。通貨安定のためには中国経済の底上げが不可欠だ。

 理論的に考えると、成長率が低下するなか、中国は金融緩和によって金融機関の資金繰りを支えつつ、財政出動を進めて内需の拡大を図ることが必要だ。16年12月の中央経済工作会議では、積極的に財政政策を運営して経済の下支えに注力するとの方針が発表された。17年、交通運輸省は幹線道路や水路開発のプロジェクトに総額1.8兆元(30兆円程度)を使うことを決定している。中国のエコノミストらの間では実際の投資額が、この規模を上回るとの見方もある。また、高速鉄道網の整備も重視されている。

 一方、今後の金融政策は穏健、かつ中立に運営されると思われる。わかりやすくいえば、引き締め過ぎず、緩めすぎないように金融政策を運営するということだ。中国の金利が上昇するなか、住宅ローンが依然として増加傾向にあること、シャドーバンキングの信用創造が増えていることなどを踏まえると、徐々にシステミックリスクは高まりやすい。中国人民銀行は金融の緩和に慎重にならざるを得ないだろう。物価も上昇基調にあり、利下げのハードルは高そうだ。

 以上より、中国経済は財政政策頼みの状況が続くと考えられる。米国の景気動向やトランプ米政権下での政治への不安から世界の金融市場が不安定に推移したり、中国政府が想定する以上に景気の減速が進む場合には、追加的な財政出動を通して景気刺激策が打ち出される可能性もある。短期的にはこうした取り組みが経済を支えるだろう。

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