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黒田尚子「『足るを知る』のマネー学」

宝くじ高額当せん者だけに配布される冊子に書かれた「驚愕の注意点」…不幸なトラブルも多数

文=黒田尚子/ファイナンシャルプランナー
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 宝くじの場合、「当せん金付証票の当せん金品については、所得税を課さない」(当せん金付証票法13条)と法律上も明記されているのだ。課税する立場からすると、宝くじ全体で、払い戻しは販売額の半分以下であり、売り上げのほうに課税した方が税収は高くなる。すでに、売り上げから税金等を先に引いているのに、その中から出てくる当せん金に課税すると二重課税となってしまうため、受け取った当せん金には税金がかからない仕組みとなっている。

気前よく当せん金をプレゼントすると贈与税がかかることも

 ただし、税金の心配をまったくしなくても良いわけではない。当せん金自体には税金はかからないが、それを身内や知人・友人などに分けると「贈与税」がかかる可能性があるからだ。贈与税は、暦年(その年の1月1日から12月31日まで)の間に贈与により取得した「(課税価格-基礎控除)×税率―控除額」で計算される。

 15年以降、贈与税の税率は、祖父母や父母などの直系尊属から20歳以上の子や孫などへ贈与した場合の「特例贈与財産」に対する特例税率と、それ以外の贈与(兄弟間、夫婦間など)の場合の「一般贈与財産」に対する一般税率に分けて計算されることになっている。

 たとえば、父(50歳)が当せん金から1億円を子(25歳)に贈与した場合、贈与税額は4,799.5万円で、実際に渡せるのは5,200万円ほど。同じ子どもでも20歳未満の子に贈与した場合、贈与税額は5,039.5万円にアップし、手取りがさらに減る。

 家族などへ宝くじの当せん金を贈与するときは、住宅取得等資金や教育資金、結婚・子育て資金など、所定の要件を満たす贈与に関してはさまざまな税制上の特例が設けられているので、賢く活用しよう。

当せん証明書などは必ずもらっておくこと

 さらに贈与について注意すべきは、共同購入した宝くじが当せんしたケースである。

 宝くじが当選した場合、当せん金は共同購入者全員で受け取ったという証明を必ずもらっておこう。代表して受け取った人が後で山分けしたら、贈与とみなされて、贈与税の対象となる可能性があるからだ。

 証明書が必要なのは、これだけではない。たとえば、宝くじの当せん金でマイホームを購入するという人は多いだろう。すると、購入後に税務署から「お尋ね」が来ることがある。要するに、マイホームを購入するにあたって、住宅購入資金をどのようにまかなったか、の確認が来るわけである。

 この場合、宝くじ高額当せん証明書を発行してもらって、それを示せば問題ない。これは高額当選で得たお金の出所を明確に証明してくれるもので、当せん金を受け取った銀行で発行してくれる。

 いずれにせよ、高額当せん者は、今後の贈与や相続なども含め、お金の流れをチェックされ続ける可能性があることは念頭に置いておきたい。

買わなければ当たらない?

 当然のことながら宝くじは買わなければ当たらない。しかも確率として、継続的に購入しなければ、当せんの確率は下がる。

 個人的に、競馬、競輪、競艇、海外カジノなどなど、一通り経験はあるものの、賭け事が肌に合わないのか、大きく外れもしなければ当たりもしない。まったく娯楽としては、おもしろくない賭け方しかできないので、宝くじも積極的に買おうとは思わない。

 しかし、そんな筆者のようなギャンブルに興味がない者でも夢を見ることはできる。地方銀行など宝くじと定期預金がセットになった「宝くじ付き定期預金」を利用する方法だ。

 銀行によって預け入れた金額ともらえる宝くじの枚数や種類は異なるが、スルガ銀行の場合、300万円1口の3年定期で年末ジャンボやドリームジャンボなどが10枚受け取れる。同行では、日本一といわれる「西銀座チャンスセンター」ですべての宝くじを購入しており、宝くじの種類もバラ、連番など4つのコースから選べるというのも楽しい。ほかにも、わざわざ神社で当せん祈願を行うという銀行や、すでに10人以上もの億万長者が出ている銀行もあるという。

 マイナス金利の影響で、魅力的な金利の商品が不在の状態が続く昨今だが、大きな夢を見ることができる金融商品もあるということだ。
(文=黒田尚子/ファイナンシャルプランナー)

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