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中村芳子「お金のことで苦労せず、人生を楽しむためのお金の基本」

貧困女子たちに「共通の意識」…「一生働き続ける」という感覚のなさ→ずっと低収入で固定

文=中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー
貧困女子たちに「共通の意識」…「一生働き続ける」という感覚のなさ→ずっと低収入で固定の画像1「Thinkstock」より

 貧困女子が生まれたのは、日本でも経済格差が広がってきたからだ。原因のひとつは、ライフスタイルの変化だが、なかでも結婚にまつわる変化は大きい。結婚に頼らないライフプランやマネープランをつくることが大切だ。

日本では、もう結婚制度はあてにならなくなっている

貧困女子たちに「共通の意識」…「一生働き続ける」という感覚のなさ→ずっと低収入で固定の画像2『いま、働く女子がやっておくべきお金のこと』(中村芳子/青春出版社)

 数年前に「貧困女子」が話題になった。そのとき筆者はアメリカに住んでいたので、びっくりして書籍やインターネットで情報を集めて、実態を知ろうとした。

 そして気がついたのは、貧困に陥ってしまった女性たちの多くが、ライフプランやキャリアプランを持てないまま大人になってしまったということだ。そして、失業や離婚、未婚での出産をきっかけに、生活を支える収入が途絶えたり、極端に減ってしまい、どんどん生活が苦しくなっていく。

 今の日本の実態として、50歳の未婚率(生涯未婚率)は男性で22.8%、女性で13.3%となっている(15年国勢調査)。おまけにいうと、3組に1組が離婚する。

 50歳で小学校のクラス会をすると、40人(男女半数ずつ)のうち男性の4人、女性の3人は独身で、11人は離婚経験者、死別が1人か2人。既婚者は全体の約半分というイメージだ。つまり、誰もが結婚する、結婚したら男が家族を養うという昔からのライフスタイルは、すでに崩れてしまったといっていい。

結婚するつもりが「あれ、結婚できない」、結婚したのに「あれっ、離婚に」となると

「女は結婚するもの。結婚したら夫に養ってもらうもの」と考えていたために貧困になってしまった女性たち。これは本人の責任というより、育った家庭や地域や社会によるところが大きいだろう。これを変えていくことが日本の課題。

 この意識があると、大人になって「どんな仕事に就いてどれだけ稼ぐか」について、真剣に考えられない。なんとなく学校に行き、なんとなく就職する。数年で結婚して辞めるのだから、仕事について真剣に考えても意味がない、と思ってしまう。するとたいていは、女性が長く勤める環境がなく、キャリア(仕事の専門性)を積めない、給料が低く上がらない仕事についてしまいがち。正社員にならず(なれず)、パートやアルバイト、派遣社員を選ぶ女性もいる。

中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

1985年よりFP業に携わる日本のFPの草分け。 女性FP協会(現WAFP関東)の設立者の一人、初代理事長。 1991年に会社を設立。パーソナル・コンサルティング、金融記事の執筆、金融企画のアドバイスなどを行っている。マネックス証券創業時より7年間アドバイザーをつとめる。みずほ銀行の夫婦向けマネーサイト「おうちのおかね」(2010―2016)を監修。辛口だが、お金だけにとらわれないユニークで温かいアドバイスが人気。


主な著書に『50代のいま、やっておくべきお金のこと』『20代のいま、やっておくべきお金のこと』(以上ダイヤモンド社) 『女性が28歳までに知っておきたいお金の貯め方』(三笠書房) などがある。『3日でわかる聖書』『養子でわくわく家族』『神の津波』など、お金以外の著書や翻訳もある。

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