人気グラビアアイドルでありながら、株式投資で成功して「財テクタレント」としても活躍する杉原杏璃さんが、今注目の起業家たちの素顔に迫る本連載。第1回、第2回は株式会社EXISTi代表取締役の森下翔悟氏に、第3回は株式会社Pole Star代表取締役の近藤太斗氏にじっくりとお話をうかがった。
最終回となる第4回に登場するのは、近藤氏と同じく森下氏のコンサルティングを受けて脱OLした五十嵐佳奈氏だ。
旅行会社の添乗員時代は仕事だけの日々
杉原杏璃さん(以下、杉原) 五十嵐さんは、主なビジネスとしてインターネットショップを運営されているとのことですが、もともとは普通に会社員として働いていたのですか?
五十嵐佳奈氏(以下、五十嵐) はい。去年までは、添乗員として大手旅行会社に勤めていました。
杉原 数あるお仕事の中で、添乗員を選んだ理由はなんだったのですか?
五十嵐 高校2年生の頃、家族で旅行に行ったのですが、お客さんのひとりが迷子になってしまったんです。雨が降っていたのですが、添乗員さんは雨の中を走って探しに行って……。
その姿を見て「添乗員ってかっこいい」と思い、将来の仕事として考えるようになりました。そのため、旅行関係を学べる4年制大学に進学して、就職活動を経て、添乗員として採用していただいたんです。内定をいただいたときは「これで添乗員になれる」と泣いてしまうくらいうれしかったですね。
杉原 実際、憧れていた職業に就いてみていかがでしたか?

五十嵐 もちろん、楽しく仕事をさせていただきました。勤めている間に30カ国ほど添乗員としてめぐり、本当にさまざまな国を見ることもできました。ただ、今の時代は世界情勢の中で危険な地域などもあり、そういった外的要因に仕事が左右されてしまうという現実もありました。そのため、必ずしも理想どおりの仕事というわけではなかったですね。
杉原 そうですよね。理想と現実って、違いますよね。添乗員を辞めようと思ったきっかけも、そのあたりが関係しているのですか?
五十嵐 その会社は添乗員が旅行の企画から添乗まですべてを行う会社だったので、本当に忙しくて、プライベートの時間がほとんど取れなかったんです。それで、友人と食事に出かけてほかの業界や仕事の話、休日に遊んだ話を聞いたとき、「私、仕事しかしてない」と気づいてしまい、虚無感のようなものを感じました。
杉原 添乗員さんって、そんなに忙しいんですか……!
五十嵐 私のいた会社は特別だったと思います。添乗業務以外にオフィス業務もありましたし、私の考案したツアーに別の添乗員が行くこともあるので、その場合は現地で何かあったときには深夜でも連絡がありました。また、ツアーに添乗している期間中は24時間お客様につきっきりなので、気の休まるときはありません。帰ってきても、次のツアーのプランを考えなければならなかったので、本当にエンドレスでしたね。