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筈井利人「一刀両断エコノミクス」

そもそも原発が完全民間なら、危険な運営や国民への高負担ツケ回しも起こらないのは自明

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 人材だけではなく、さまざまな物資も政府が特定の技術に肩入れすると、その分野に配分が偏りがちになる。かりに技術開発に成功したとしても、国民全体を幸福にするとは限らない。

 極端な例が、かつてのソ連の宇宙開発だ。1957年、ソ連は人類初の人工衛星の打ち上げに成功し、先を越された米国など西側諸国に「スプートニク・ショック」と呼ばれる衝撃を与えた。しかし結局、ソ連の技術力は国民を幸せにする役には立たず、後に国家は崩壊した。

 どんなに有望そうに見える科学分野でも、他との兼ね合いでどれくらいの人材や物資を投じればよいのか、政府には判断できない。市場を通じ、消費者の需要を探るしかない。

 原発も例外ではない。もし純粋な民間事業として営まれれば、保険料を含む万が一のコストは企業の自己負担となるから、安全性を軽視した立地や操業はできない。収入よりコストが高くなりすぎれば淘汰され、他のエネルギー開発や経済活動に人と物がすみやかに投入される。

 今からでも遅くはない。事実上国営となっている原発から政府は手を引き、完全に自由な民間事業にするべきだ。その根本に踏み込まない限り、原発問題が真の解決に向かうことはないだろう。
(文=筈井利人/経済ジャーナリスト)

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