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韓国人窃盗団が盗んだ長崎の仏像、韓国裁判所が「韓国の寺に引き渡せ」のトンデモ判決

文=編集部、協力=山岸純/弁護士法人ALG&Associates執行役員・弁護士
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 また、盗まれた「仏像」が「文化財の不法な輸入、輸出及び所有権移転を禁止し及び防止する手段に関する条約」(平成14年<2002年>12月9日効力)に規定される「文化財」なら、この条約に基づいて返還を求めることができる場合があるかもしれません。

 今回、「仏像」は5年前に韓国人窃盗集団によって盗まれたということなので、もしこの「韓国人窃盗集団」が特定されているのであれば、彼らを窃盗罪で逮捕・起訴できるわけですから、上記の条約に基づき、まずは外交ルートを通じて彼らの引き渡しを求め、さらに「仏像」の返還を求めるのが国際的に正しい手法です。

 もっとも、上記「犯罪人引渡しに関する日本国と大韓民国との間の条約」第13条第1項は、「第三者の権利を十分に尊重し、その権利を害さないことを条件として」と規定しています。

 今回、韓国の裁判所は「韓国の浮石寺に返せ」という判断をしたわけですが、もし、この判断が確定してしまった場合、韓国政府は「浮石寺の権利を害さない」ために「仏像」を日本に返却することは不可能となってしまいます。

外交ルートを通じて解決すべき

 では、なぜ韓国の裁判所が「韓国の浮石寺に返せ」という判断ができるのか。

 実は、日本にも「誰かが取引によって正当に占有し始めたモノについては、即時にその人のモノになるけど、それが盗まれたモノである時は、盗まれた時から2年間は、被害者に返還しなければならない」という法律(民法192条、193条)があります。

 要するに、日本国の法律では、盗まれた後に誰かが正当に占有を始めたモノであっても、2年以内ならその被害者に返還しなければならないという規定で、「取引で正当にモノを入手した人」と「モノを盗まれてしまった人」を調整するための規定です。

 ニュースによると、「数百年前、倭寇によって盗まれたものだから浮石寺に返せ」という内容の判決とのことですが、もし韓国に「たとえ、数百年前であっても、盗まれたモノなら返還を求めることができる」という法律があるのであれば、韓国の裁判所の判断は正しいのかもしれません。

 もっとも、そんなことを言いだしたら、古今東西、歴史は略奪の繰り返しですから、混乱してしまいそうな気もします。

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