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石原結實「医療の常識を疑え!病気にならないための生き方」

「しょうが」に驚きの効能…がんや脳梗塞などの病気予防、抗ウイルス作用や免疫力向上

文=石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士

重用された長い歴史

 1990年から米国立がん研究所が行っているデザイナー・フーズ・プログラムは、がん予防効果のある約40種の食物を重要度の度合いによって「ピラミッド方式」で記したものである。

 その最上位にあるのが、ニンニク、キャベツ、甘草、大豆、生姜、ニンジンなどである。つまり、生姜は毎年、36万人超の日本人の生命を奪う死因1位のがんの予防になるのである。

 そればかりか、生姜にがん細胞の「アポトーシス」を促す効果のあることが、米国ミネソタ大学のアン・ボード、ジガン・ドン両博士によって最近明らかにされた。アポトーシスとは、「がんが宿っている人体が、飢餓(極端な空腹)や発熱にさらされると、がん細胞ごと自殺する」という現象である。そうした辛い目にあわなくても、生姜の辛味成分がアポトーシスを促してくれるのだ。

 こうした「生姜の効能」を年間100回以上受ける雑誌や新聞の取材で話し、「医者いらずの『生姜』事典」(PHP文庫)などを上梓することにより、生姜の効能が広く知られるようになり、生姜ブームに到達した、と私は確信している。

 もともとインド原産といわれる生姜であるが、紀元前2世紀には古代アラビア人により海上ルートで古代ギリシアやローマに伝えられた。古代ギリシアでは、ピタゴラスが生姜を「消化剤」や「駆風剤(腸内のガスを排出する薬)」として用いており、古代ローマ人は食中毒などの「解毒剤」としても活用していた。

 アジアとヨーロッパの香辛料貿易では何百年も、最重要商品が胡椒、2番目が生姜で、中世以降のイギリスでは1ポンド(約450グラム)の生姜が牛1頭と同価値だったという。

「14世紀にロンドンでペストが流行し、市民の3分の1が死亡したとき、生姜を食べることができた貴族たちは、ほとんど死ななかった」というエピソードなどにより、イギリス人も生姜の薬効を知悉していたのだろう。生姜を表す英語の「ginger」には、英和辞典を引くと、

(名詞)生姜、意気軒高、気管、ぴりっとしたところ
(動詞)生姜で味付けする、元気づける、活気づける、鼓舞する

とある。

生姜紅茶

「子曰く」で有名な儒学の祖、孔子も、「食事するときは、生姜を必ず一緒に合じた」という。

 現在、我々医師が使う医療用の漢方薬約200種の約70%に生姜が配合されている。「生姜なしには漢方が成り立たない」といわれる所以である。

石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士

石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士

1948年長崎市生まれ。長崎大学医学部を卒業後、血液内科を専攻。「白血球の働きと食物・運動の関係」について研究し、同大学大学院博士課程修了。スイスの自然療法病院B・ベンナー・クリニックや、モスクワの断食療法病院でガンをはじめとする種々の病気、自然療法を勉強。コーカサス地方(ジョージア共和国)の長寿村にも長寿食の研究に5回赴く。現在は東京で漢方薬処方をするクリニックを開く傍ら、伊豆で健康増進を目的とする保養所、ヒポクラティック・サナトリウムを運営。著書はベストセラーとなった『生姜力』(主婦と生活社)、『「食べない」健康法』(PHP文庫)、『「体を温める」と病気は必ず治る』(三笠書房)、石原慎太郎氏との共著『老いを生きる自信』(PHP文庫)、『コロナは恐くない 怖いのはあなたの「血の汚れ」だ』など、330冊以上にのぼる。著書は韓国、中国、台湾、アメリカ、ロシア、ドイツ、フランス、タイなど世界各国で合計100冊以上翻訳出版されている。1995~2008年まで、日本テレビ系「おもいッきりテレビ」へのレギュラー出演など、テレビ、ラジオ、講演などでも活躍中。先祖は代々、鉄砲伝来で有名な種子島藩の御殿医。

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