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田中俊之「生きづらい中年男のための処方箋」

未婚男性の8人に1人が「生涯独身」を宣言…「なぜ(わざわざ)結婚したの?」と問われる時代に

文=田中俊之/武蔵大学社会学部助教

中年独身は不幸?「結婚=幸福」イメージの崩壊

 中高年男性向けの雑誌やウェブサイトには、しばしば年を重ねた独身男性の悲惨な生活に関する記事が掲載されている。シングルの男性を見下して、優越感を抱いている限りは、たとえ自分自身の結婚生活が空虚であったとしても、その現実から目をそらすことができる。

 換言すれば、こうした記事に需要があるのは、「未婚=不幸」とあおらなければならないほど、「結婚=幸福」というイメージが崩れつつあるからだとも考えられる。

 結婚が「当たり前」だった時代には、既婚者は未婚者に「どうして結婚しないの?」と気軽に問うことができた。しかし、結婚と幸福を簡単に結びつけられず、自分の意思で独身を選んだり離婚したりする男女が増えた現代では、既婚者が未婚者から「どうして、わざわざ結婚なんてしたの?」と聞かれる可能性がある。その際の答えが「結婚するのが当たり前だから」では、あまりにもむなしい。

 既婚の中高年男性は、この機会に自分が結婚した理由について、ゆっくりと考えてみてはいかがだろうか。
(文=田中俊之/武蔵大学社会学部助教)

田中俊之/武蔵大学社会学部助教

田中俊之/武蔵大学社会学部助教

社会学博士 武蔵大学社会学部助教
1994年 都立武蔵高等学校卒業
1999年 武蔵大学人文学部社会学科卒業
2001年 武蔵大学大学院人文科学研究科社会学専攻博士前期課程修了
2004年 武蔵大学大学院人文科学研究科社会学専攻博士後期課程単位取得満期退学
2008年 博士(社会学)取得 武蔵大学大学院人文科学研究科社会学専攻甲第7号
学習院大学「身体表象文化学」プロジェクトPD研究員、武蔵大学・学習院大学・東京女子大学等非常勤講師を経て、2013年度より武蔵大学社会学部助教

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