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「塚田農場」運営会社、前代未聞のヤバい居酒屋が大人気…激ウマ「捨てる魚」、漁師直送で漁業を救う

文=末吉陽子/ライター

スタッフ一人ひとりが漁業を理解!人材育成術

 未利用魚はネームバリューがないため、売り方にも工夫が必要だ。そこで四十八漁場が取り入れたのが、ネームバリューがないことを逆手に取った「攻めの売り方」である。

「未利用魚は、普通の居酒屋さんの『刺し身5点盛り』のように、お客様がイメージしやすく安心して頼んでいただけるメニューではありません。そこで考えたのが、ビジュアル面で視覚に訴える方法です。店舗スタッフが実物の魚を桶に載せて、『今朝獲れの、この魚がおいしいですよ』と提案するようにしました。そうすることで、名前が知られていない魚でも『食べてみたい』という興味喚起につながるのです」(同)

「塚田農場」運営会社、前代未聞のヤバい居酒屋が大人気…激ウマ「捨てる魚」、漁師直送で漁業を救うの画像4四十八漁場の「漁師の刺し盛り【大】三人前」

 しかし、店舗でこうした売り方をするには、スタッフに高いコミュニケーション能力が必要となる。横澤氏によると、四十八漁場ではスタッフ一人ひとりに漁業の現状から知ってもらい、生産地に駐在している同社のバイヤーからも、それぞれの生産地が抱える状況、四十八漁場と関わることで生まれた変化などを伝え、スタッフがより漁師や生産地を知り、感情移入できるように努めているという。

「実績と感謝の気持ちがダイレクトに伝わることで、モチベーションもグッと上がります。それが根本にあるからこそ、スタッフ一人ひとりが『どんこというのは、こういう魚なんですよ』『たらのように身がふわっとしていて、肝はアンコウのように濃厚なんです』『日本酒と、とても合いますよ』などと、お客様へのプレゼンもしっかりできるようになるんです」(同)

 一番近くで客と接する店舗スタッフが、背景のストーリーを交えて未利用魚のおいしさを説明する。このスタッフのコミュニケーション力も、四十八漁場の成長を支える原動力になっているといっていいだろう。

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 そして、スタッフのモチベーションアップのために、人材教育の方法も進化している。驚いたことに、四十八漁場では社内SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)によって、各地の漁師とアルバイトまで含めた店舗スタッフが直接つながる仕組みが導入されているという。

「情報をシェアし、グループをつくることが目的で、漁師さんも『今日こんな魚が揚がったよ』と投稿してくれますし、スタッフも『○○さんの魚をこんなふうに食べていました』『お客様が完食してくれました!』と投稿しています」(同)

 たとえば、宮崎県延岡市にある島野浦という離島では、その道40年の漁師が「今までは、自分が釣った魚をほかの人が食べているのを見たことがねぇ」と、うれしそうにSNSの投稿を見ていたこともあったという。

「これまで、漁師さんというのは『誰に売っているのか』『誰が食べているのか』を知らないまま釣っている人がほとんどでした。それを知るだけでも、大きなモチベーションになると思います」(同)

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