NEW

日本独自の「バレンタインにはチョコ」、なぜ広まった?森永、メリー、モロゾフを直撃!

文=森井隆二郎/A4studio

メリーチョコ、初年の売上はチョコ3枚で170円

 続いて、森永製菓の回答にも登場したメリーチョコレートにも問い合わせたところ、「バレンタインデーの発祥には諸説があると思います」と前置きした上で、こう語ってくれた。

「弊社は58年2月に日本で初めて百貨店でバレンタインフェアを行い、チョコの販売をいたしました。フェアを発案したのは当時の社員で、パリに住む知人から絵はがきを受け取り、そこにヒントを得たようです。

 絵はがきには『パリではバレンタインデーといって、男女が花やカード、チョコを贈り合うイベントがある』と書かれていました。海外で行われていたバレンタインは本来、主に男性から女性にプレゼントをする習慣で、何を贈るかは特に決まっていなかったはずなのですが、弊社はチョコの会社ということで、『きっと日本でもウケるに違いない』と判断したのです」(メリーチョコレート広報部)

 しかし、販売初年の売り上げは散々なものだったという。

「当時は、どなたにもバレンタインをご理解いただけず、売り上げは50円の板チョコが3枚と20円のメッセージカードが1枚で、わずか170円でした。後から考えてみると、その数少ないご購入者というのも、もともとバレンタインの風習をご存じだったクリスチャンの方だったのかもしれません。

 フェアを企画した者も、『まずは“バレンタインデー”を辞書で引いてみた』という逸話が残っております。しかし、『Valentine』の『V』で調べるべきところを『B』で調べてしまうなど、本当に何もわかっていない手探り状態のなかで始めたようです。それで、結果として170円という売り上げに終わってしまったわけですが、めげずに翌年も挑戦しました。

 そこで考えついたのが、『年に一度、女性から男性に愛の告白を』というコピー。当時は女性の社会進出の気運が高まりつつあり、『週刊女性』(主婦と生活社)や『女性自身』(光文社)などの女性週刊誌も創刊されていました。バレンタインは社会的な潮流とも相まって女性の支持を得ることができ、チョコの売り上げも右肩上がりになったのです」(同)

 その実績を認められたメリーチョコレートは、日本記念日協会から記念日文化功労賞を授与されており、フランスのセント・ヴァレンタイン村と友好提携を結んでいる。ヴァレンタイン村はフランスのほぼ中心に位置し、「国中の愛が集まる場所」として人々に親しまれているという。

日本のバレンタインはモロゾフ&神戸市が起源?

 製菓会社の“仕掛け”がささやかれる一方で、「日本式バレンタインデーの発祥の地は神戸市」という説も聞かれる。なぜかといえば、森永製菓の回答にも登場したモロゾフの本社が兵庫県神戸市にあるからだ。

 モロゾフ広報担当に聞くと、「日本のバレンタインデーは、モロゾフから始まりました」と自負する答えがあった。

RANKING

5:30更新
  • 企業・業界
  • ビジネス
  • 総合