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鷲尾香一「“鷲”の目で斬る」

東芝と運命共同体、PwCあらた監査法人の「黒歴史」…安々と決算発表を許せない事情

文=鷲尾香一/ジャーナリスト

 その旧中央青山も、05年に「カネボウの粉飾決算事件」を引き起こす。当時のカネボウ担当の公認会計士が、同社に対して粉飾を指南していた。さらに、翌06年には当時のライブドアマーケティングの粉飾決算時に監査を担当。度重なる問題を受け、金融庁は旧中央青山に対して2カ月の監査業務停止処分を出した。

 このとき、旧中央青山はPwCのメンバーファームだったが、旧中央青山の監査業務停止処分を契機に、そのPwCが旧中央青山の監査先企業の受入先として設立したのが、現在のPwCあらたなのだ。つまり、PwCあらたは粉飾決算事件の後始末のようなかたちで誕生した監査法人だ。
 
 16年に“火中の栗を拾う”かたちで東芝の監査を引き受けたPwCあらたにとって、絶対に監査上の問題が発生することは許されない。それだけにPwCあらたは慎重に監査を行っていくことだろう。果たして、1カ月の延長で東芝は決算発表ができるのだろうか。
(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)

鷲尾香一/ジャーナリスト

鷲尾香一/ジャーナリスト

本名は鈴木透。元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。

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