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米国国民の高い支持を得るトランプは、これから日本に容赦なく経済的要求を浴びせる予兆

文=真壁昭夫/信州大学経法学部教授
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 この状況を見ていると、トランプ大統領は横暴に映る。自分自身の言動がどういった反応を招くか、冷静に考えることなく大統領令を出しているといわれても仕方がない。大統領の側近も、横暴な大統領を諌めることができていない。こうした横暴さが目立っているため、トランプ政権の先行きに不安を感じる人は多い。

 米国の世論はトランプ大統領への支持、不支持で二分されている。重要なことは、米国社会全体がトランプ政権を支持していないとはいえないことだ。トランプ政権への支持は根強い。

 世論調査には2つの方法がある。伝統的な電話でのインタビュー調査と、自動音声やインターネットを用いた匿名での調査だ。前者の場合、トランプ大統領を支持しないと答える有権者が多い。一方、後者の方法だと、トランプ大統領への支持が過半数を占めるものがある。そして、伝統的なインタビュー調査に比べ、トランプ大統領への支持と不支持は拮抗している。トランプ政権の政策運営には物議を醸す部分が多いものの、それが有権者から“ノー”を突きつけられたわけではない。

トランプ政権の米国第一の姿勢に変わりはない

 
 トランプ政権の基本路線は“アメリカファースト”だ。輸入を抑え、国内の生産活動をサポートし、雇用を創出して賃金の増加を実現しなければならない。インフラ投資などの財源も確保していかなければならない。

 足許では、米国の消費者が見込む1年後の景況感が1月から低下するなど、米国第一を主張してきたトランプ政権への期待はトーンダウンし始めている。金融市場でも経済政策の具体化が進まないため、先行きへの期待が低下しつつあるようだ。そうした状況が続くことは、トランプ大統領の支持率にかかわる。支持率の低下を避けるためには、やはり“米国第一”の主張を続け、それに見合った政策を進めることが欠かせない。

 この流れを前提にして、日米首脳会談の内容も検証する必要がある。確かに会談では対日批判が出なかった。これは、強硬姿勢の封印や後退というよりも、懸念材料の先送りと考えたほうがよいだろう。トランプ政権の閣僚承認は遅れている。そのため、具体的な議論を進めることができない。閣僚人事が出そろった段階で、米国政府が日本などに何を要求するか、再確認する必要がある。

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