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サプライズ満載の結婚式で必死に幸せアピール…「うらやましがられたい」欲求満たす若者たち

文=藤野ゆり/清談社
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「プロデューサー、デザイナー、クリエイターたちはクリエイティブな提案をするものの、その出発点には常に二人の意見が求められる。常に二人が主役で、常に二人が考える。葛藤したり、悩んだりしながら、二人は助け合って、意思決定や準備をする。そのことが結婚式ににじみ出るから、当日の空気が普通の結婚式とは明らかに違うのだ」(『幸せをつくるシゴト』より)

 同社は、結婚式を「家と家の契約」という社会的承認の場ではなく、「自分たちを承認させる場」に特化させたことで、自分を輝かせたい人たちから共感を得ているのだろう。

「幸せ」「キラキラ」アピールを生む承認欲求

 しかし、高いお金を払って個性的すぎる結婚式を挙げるなど、なぜ彼らは自分を輝かせることにこだわるのだろうか。「幸せをアピールしなきゃ」という一種の強迫観念のようにも思えてくるが、新氏は以下のような見解を示す。

「たとえば、インスタグラムやフェイスブックなどを観察していると、若者たちが誰かに『いいね!』を押してもらうことに必死になりすぎている印象があります。『キラキラした人生に見せたい』『みんなにうらやましがられたい』『誰もやってないことをやりたい』というふうに、いつも無意識のうちに誰かに対抗しています。こうした欲求を満たそうと必死になった挙げ句、ついに結婚式まで、そのためのツールとして利用するようになったのではないでしょうか」(同)

 自分が幸せであることを他人に印象づけるためには、みんながやっている普通の結婚式では物足りない。だから、どんどん結婚式がフェス化し、クレイジー社に高い需要があるのだろう。

「特に、山川さんが結婚式を『人生で一番承認される日』と認識している感覚は、独特だなと感じます。そもそも、結婚式というのは、すでに自分を承認してくれている人たちを集める場。その結婚式で、さらに承認を求める人は、よほど日々の生活のなかで承認に飢えているか、もともと承認欲求がものすごく強いかのどちらかでしょう」(同)

 その「人生で一番承認される日」で、思う存分自分を輝かせた後に残るのは、どんなものなのだろうか。新氏は、フェス的なキラキラ結婚式が終わった後のことを懸念する。

「結婚式が終わり、その後の夫婦がどうなるのか、気になります。結婚式は、あくまでも夫婦のスタート地点。夢や幻想を持ち込んで、式そのものを目的化してしまうと、代わり映えしない日常が始まったとき、そこには大きな落胆が待っているのではないかという気がします」(同)

 もちろん、自分の人生をどう演出するかは個人の自由だが、承認欲求に振り回されすぎてしまうのも考えものかもしれない。
(文=藤野ゆり/清談社)

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