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「人材枯渇企業」東芝、実質的に銀行管理下へ…命運担う「過激な救世主」存在感増す

文=編集部
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「人材枯渇企業」東芝、実質的に銀行管理下へ…命運担う「過激な救世主」存在感増すの画像1東芝、決算発表を取りやめ1カ月の延期を申請(長田洋平/アフロ)

 原発事業の巨額損失の発覚で解体の危機に瀕している東芝。数少ない収益が見込める半導体メモリー事業を分社して、5割超の株式を売却する方針だが、ここにきて存在感を増すのが、かつて半導体部門のトップで社長候補にも挙がっていた顧問の存在だ。

「2015年の一連の粉飾会計問題さえなければ、社長候補に再浮上したこともあったのでは」(東芝元社員)

 いまだに社内で待望論が大きいのが、小林清志顧問だ。小林氏は、東北大学理学部修士課程を修了し、1980年に東芝に入社。NAND型フラッシュメモリを中心に歩き、シェアを拡大させ、韓国サムスン電子との2強体制を築き、副社長まで登り詰めた。

「メモリ業界は設備投資が巨額な一方、需要の波が大きい。外れた場合のリスクも大きく、典型的な博打ビジネス。小林氏は読みに鋭く、大勝負を打つだけでなく過激な発言も多かった」(同)

半導体嫌いのトップも認めざるを得なかった手腕

 実際、その功績は半導体嫌いで知られる佐々木則夫元社長も認めており、四日市工場(三重県四日市市)への継続投資をもぎ取った。佐々木氏の後任社長候補にも名前が挙がっていた。

 一連の粉飾会計問題を受け、15年7月に副社長を辞任。第三者委員会の報告書では、副社長4人の中で唯一、小林氏の名前はなかったこともあり、同年8月から半導体事業の顧問に就任した。

 足元の東芝の収益構造は厳しさが増している。医療事業を切り離し、原発事業も風前の灯火の今、半導体事業で稼ぐしかない。「小林さんがいなくなっては、半導体事業どころか、東芝が立ち行かなくなる」との声は社内でも大きい。

 小林氏は、副社長時代は電子デバイス部門全体を統括していたが、現在は半導体の提携や事業再編を担っている。当然ながら、分割新会社の株式売却の行方を左右する立場にある。

有望な人材が流出

「実質的な銀行管理になりつつある東芝だが、シャープと違って政府が支援に前向きなため、銀行も楽観している。そもそも、銀行マンは半導体ビジネスには門外漢。銀行は2割以上の株式売却も求めているが、素早い意思決定が求められる半導体ビジネスでは船頭は少ないほうが良い。『NANDの神様』ともいわれ業界での顔が広く、べらんめえ調で胆力が抜群の小林さんの意向を無視することはできないのではないか」(メガバンク関係者)

BusinessJournal編集部

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