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住宅ジャーナリスト・山下和之の目

新築住宅、なぜ3~5階建て激増?「下は貸して、上に居住」が主流に

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 たとえば、積水ハウスの決算資料によると、戸建注文住宅の1棟当たりの単価は3741万円ですが、3階建ては6600万円で、賃貸住宅は8305万円で、3・4階建て賃貸住宅は1億3900万円と桁が一桁大きくなります。

大手ゼネコンも町場の工務店も入れない


 これが5~6階建てになれば2~3億円と上がる可能性があるだけに、メーカーにとってはたいへん魅力的な市場です。しかも、この分野は中小のゼネコンが中心になっています。大手のゼネコンは2~3億円規模では利益を確保できません。といって、町場の工務店では技術的にも資金的にも手が届きません。競争相手は地場の中小ゼネコンですが、そこが相手であれば、大手住宅メーカーの技術力やネームバリューで凌駕できる可能性があります。

 そのため、いま大手住宅メーカーが一斉にこの分野への参入を急いでいます。あるメーカーの担当者は、「メインプレーヤーのいない分野。いま参入すれば先行者利益を確保でき、10年後、20年後の有望市場でトップシェアを確保できる」としています。

大都市部の住宅展示場では多層階が主役


 実際、最近の住宅展示場ではこの多層階物件が主役となっています。写真1にあるように、昨年オープンした東京都板橋区の「板橋高島平ハウジングステージ」は、すべてのモデルハウスが3階建て以上で、なかには大和ハウス工業のように5階建てもあります。

 この1月に一部のモデルハウスがオープンし、春には全10棟が完成してグランドオープンを迎える「錦糸町住宅公園」(東京都墨田区)も同様で、ヘーベルハウスの旭化成ホームズは5階建てのモデルハウスを建築中です。

 その隣では、パナホームが7階建ての建築を行っています。現在、住宅展示場で最も高いのは、同社が東京都新宿区の「東京都新宿住宅展示場」に有する6階建てですが、完成すれば、こちらが住宅展示場における日本一高いモデルハウスになります。

昨年オープンした東京都板橋区の「板橋高島平ハウジングステージ」

多層階の新商品の開発競争が激化


 この有望市場に、大手メーカーがこぞって新商品を投入していますが、なかでもこの分野にいち早く手を挙げたのがパナホームといっていいでしょう。工業化住宅で6階建て、7階建てまで可能としてきましたが、16年10月には9階建てまで可能な「ビューノ9」を発表、パナソニックグループの創業100年となる18年度にはこの分野での売上高1000億円を目指しています。

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