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日産ゴーン社長電撃退任の真相…難題噴出で「敵前逃亡」、トランプ・ショックやルノー不正疑惑

文=編集部
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 このうち、日産の輸出台数は50万台。日産はメキシコを、米国市場だけでなく欧州や中南米もにらんだ世界的な生産・輸出拠点と位置付けている。メキシコで生産するクルマの約半分が米国向けで、小型セダンの「セントラ」や「ヴァーサ」を中心に輸出している。

 業界の推計によると、17年3月期に米国で販売する自動車のうち、メキシコ生産車の比率は日産が25%と頭抜けて高い。ホンダ、マツダは6~7%、トヨタは5%だという。

 JPモルガン証券の試算によると、NAFTAの関税引き上げに伴う業績への影響は日産が最大で、次にマツダ、ホンダ、トヨタの順。トヨタとホンダについては世界生産に占めるメキシコ生産比率が5%以下だからリスクは相対的に小さい。メキシコ産の輸入車にかかる関税が世界貿易機関(WTO)加盟国に適用する2.5%に引き上げられた場合、日産の18年3月期決算は192億円の営業減益要因になると試算している。

 ゴーン氏は1月20日、スイスのダボスで開かれた世界経済フォーラム(ダボス会議)に出席した際、トランプ大統領が掲げるNAFTAの見直しについて問われ、「米国で事業を展開するすべての自動車会社は、生産拡大の際に米国(への投資)を最初に考えることになる」と語った。日産の米国工場は2カ所で、現地化比率は約6割。ホンダ(5工場)、トヨタ(4工場)に比べて見劣りするうえ、米国で雇用している人数も少ない。ダボスでの発言は米国内で生産拠点を増やし、現地化比率をさらに引き上げることを示唆したものと受け止められた。

前途多難な日産

 日産は昨年10月に三菱自動車の株式を34%購入して、傘下に収めた。ルノー、日産、三菱自を合算した世界販売台数は1000万台の大台に王手をかけた。だが、三菱自の社内には益子修氏がゴーン氏の要請を受けて社長を続投したことに対する強いシコリが残っており、再建は一筋縄ではいかないとみられている。

 確かに、日産は三菱自の買収によって軽自動車と東南アジアの生産拠点を手に入れた。また、プラットフォーム(車台)の共用など、スケールメリットもある。しかし、ゴーン氏が日産に乗り込み、業績のV字回復を実現した時のようなドラスチックな変革は望み薄だ。

BusinessJournal編集部

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