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ヤミ金で借金→風俗落ちでもイキイキ働く主婦たち…ヤミ金、非常識すぎる客激増で苦境に

文=藤野ゆり/清談社
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主婦や水商売女性がヤミ金の上客に…風俗落ちも

 そんななかで、ヤミ金業者の数少ない上客となっているのが、主婦や水商売の女性だ。お金に対して見栄を張りがちな男性と違い、女性は周囲にも借金のことを平気で打ち明け、「あなたがやっているなら私も」とヤミ金の輪が広がっていくのだという。

「主婦や水商売の女性が知人の紹介で借りにくるケースは、非常に多いようです。しかも、男性客は口先だけで感謝や謝罪の言葉を並べても結局返済できず、逃げようとしますが、女性客は返済に困ったらスパッと風俗に流れるし、割り切りが早い。『風俗落ち』しても特に悲壮感はなく、みんなイキイキと働いていますよ」(同)

 加えて、東京や大阪などの都会を離れ、シノギの場所を地方に移す「地方移転」もヤミ金業界のトレンドとなっているという。ここでも、ヤミ金側が重視したのは「いかに客が飛ぶのを防ぐか」という点だ。

 地方に比べて都会は人間関係のつながりが薄く、地域コミュニティがないに等しい。一方、地方の場合、人間関係が濃密で地元意識が強いため、客も簡単に飛ぶことはできない。地方ではヤミ金業者と客の距離も近く、信じがたいことに人情で客をつなぎとめているケースも多いという。

「実際、地方では、金の問題に詳しいヤミ金業者が客のために自己破産の手続きを一緒にしてあげたり、知識のない客をサポートして友達のような関係になったりしている業者もいます。都会と違い、地方では客に親切にすることで回収率も上がるのです。なかには、警察にヤミ金について聞かれた際に業者をかばった客もいました」(同)

 当然、金利も「トイチ(10日で1割)」「ヒサン」といった法外なものではなく、月1割程度の比較的ソフトなものになっている。地方では、こうした「ソフトヤミ金」が客に感謝されてもいるという。裏を返せば、それだけヤミ金業者が苦境に追い込まれているということだ。

ヤミ金が狙う「裏カジノに通う富裕層」

 このため、都会のヤミ金業者も、以前のようにパチンコ依存症の貧困層から吸い上げるのではなく、より資金があって回収率の高い富裕層にターゲットを変えているという。とはいえ、富裕層に高金利の金を貸すには、それなりの状況が必要となる。

「現在、ヤミ金業者が狙っているのは『裏カジノを訪れる富裕層』です。カジノのテーブルゲームは客同士の駆け引きでゲームが展開するので、客層が非常に重要になります。暴力団関係者や資金力のないフリーターなどがいたら大口客が寄りつかなくなってしまうため、裏カジノ側があの手この手で企業経営者や芸能人、スポーツ選手などステータスの高い客を集めるんです」(同)

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