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村上春樹の新作、酷評&絶賛噴出?「駄作」「真新しさない」「過去の作品を参照して執筆」

文=編集部
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 そしてもう一つのテーマは、本作の副題が『第1部 顕れるイデア編』『第2部 遷ろうメタファー編』となっているとおり、『イデア(理想)』と『メタファー(暗喩)』ではないか。たとえば、『私』は長い間、妻と肉体関係はないが、夢の中では妻と行為を行ってきたため、妻が別の男性との間でつくった子どもを『メタファーとしての子ども』と理解して受け入れる決断をしたとも読めます。また、『私』が、絵画から飛び出てきた騎士団長から『自分は要するにイデアなのだ』『さあ、私を断固殺すのだ』と言われ実際に殺す場面は、『私』が新たな人生を迎えるためには、これまで自分を縛ってきた“自分のイデア=理想”を自分で殺さなければならない、ということのメタファーではないでしょうか」

“静謐な作業”

 このほかにも別の出版業界関係者・C氏は本作をこう評価する。

「村上氏はかつて、小説を書くときは自分の中にある“物語のたまり”に降りていって、そこから物語を拾いながら無意識の内に作品を執筆していると語っていますが、まさに本作では村上氏のそうした“静謐な作業”を感じました。オリジナリティというより、村上氏の中にたまった膨大な情報や過去の作品を参照しながら執筆されたという印象です。『1Q84』は、冒頭の一文にオーラを感じるほどの衝撃がありましたが、本作は一貫して“静”が漂っている点も特徴といえるでしょう」

 C氏よれば、村上ファンの間でも本作への評価は分かれるのではないかという。

「大雑把に言えば、村上氏の作品は『ノルウェイの森』(講談社)、『女のいない男たち』(文藝春秋)、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(同)のようなリアリスティックなものと、『1Q84』や『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』のようなファンタジー色の強いものの2つに分類されます。本作はどちらかといえば後者の系譜につらなるものなので、前者が好きなファンにとっては、少し物足りなさを感じるかもしれません」

 ファンの間でも、さまざまな評価や感想が出ているのかもしれない。
(文=編集部)

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