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鬼塚眞子「目を背けてはいけないお金のはなし」

親の介護で破産する人続出…施設の利用料滞納で、突然に子供へ数百万円の請求

文=鬼塚眞子/一般社団法人介護相続コンシェルジュ代表、保険・介護・医療ジャーナリスト
親の介護で破産する人続出…施設の利用料滞納で、突然に子供へ数百万円の請求の画像1「Thinkstock」より

 親が要介護になったときに備え、その話し合いを子供から持ちかけても、親のほうが積極的に応じない、あるいは怒り出して話にならないというケースも少なくない。また、話し合いといっても、「何を話していいか、わからない」との意見もある。だが、そうも言っていられない悲劇が起こっているのをご存じだろうか。

 ついに親の介護を原因とする破産者が現れ始めた。もはや「要介護になってもなんとかなる」とは言っていられない時代に突入している。取り返しのつかない未来を避けるために、親族と話し合うべきイロハのイをお伝えしたい。

ライフプラン

 親族との話し合いをする前に、把握しておかなければならないことがある。「最後まで自分らしくありたい」と願うのであれば、感情論だけでは成立しないことを十分に認識する必要があるということだ。

 そのために、不可欠なことがライフプランだ。ライフプランとは、直訳すると、人生設計を意味するが、単なる夢や計画を立てればいいというわけでは断じてない。同時に、経済的な収支を浮き彫りにしなければ夢の実現など、絵に描いた餅になってしまう。さらに、そのための具体的な解決策、社会保障や企業の福利厚生以外に、動産や金融資産のプランニングにまで落とし込んでいくことが求められる。また、ライフプランの実現のために忘れてならないことがある。それは「何歳までに」「いつまでに」といった時間軸を確認することだ。

 現役時代のライフプランなら、時間軸を確認することは比較的容易だ。最終ゴールがリタイアメントだからだ。一方、リタイアメント後のライフプランは非常に難しい。というのは「エンディング=寿命」を何歳に設定するのか、という“神の領域”に迫らなければならないからだ。

 ほとんどの人は、自分の寿命を漠然と思い浮かべることはあっても、何歳で亡くなるかを真剣に考えたことはないだろう。というより、考えたくもない問題だというのが本音ではないか。

 筆者は以前、さまざまな世代の男女約50人に“ご自身の寿命”について調査をしたことがあったが、即答できない方が圧倒的多数だった。それでも、なんとか聞き出せた答えが「平均寿命」というものだった。

 平均寿命とは、0歳時における平均余命(=平均してあと何年生きられるかの指標)のことだ。毎年、厚生労働省が発表しているもので、「平成27年 簡易生命表」によると、男性の平均寿命は80.79 年、女性の平均寿命は87.05 年となり、前年と比較すれば男性は0.29 年、女性は0.22 年上回っている(表参照)。平成23年は震災の影響で前年度より下回っているものの、平成24年以降は前年度を更新し続けている。

鬼塚眞子/ジャーナリスト、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表

鬼塚眞子/ジャーナリスト、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表

出版社勤務後、出産を機に専業主婦に。10年間のブランク後、保険会社のカスタマーサービス職員になるも、両足のケガを機に退職。業界紙の記者に転職。その後、保険ジャーナリスト・ファイナンシャルプランナーとして独立。両親の遠距離介護をきっかけに(社)介護相続コンシェルジュを設立。企業の従業員の生活や人生にかかるセミナーや相談業務を担当。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などで活躍
介護相続コンシェルジュ協会HP

Twitter:@kscegao

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