何も考えない「危険な公人」安倍昭恵・首相夫人…身勝手な行動が首相の政治生命を脅かす


 しかし調べてみたら、安倍首相が便宜を図ったということもない。それどころか、安倍首相が籠池理事長に会ったことが過去に一度もないということがわかった。もしかしたら近畿財務局と大阪府には何か問題があるかもしれないけど、官邸にかかわってくる問題じゃないと、当初から認識していたのです。疑惑がダーッと広がってきて初めて、昭恵夫人が名誉校長に就いたことを知ったわけではないですから、首相が夫人に激怒するという局面はなかったはずです」

 また、首相夫人は私人なのか公人なのか、ということが盛んに議論されている。公人だとしたら、天真爛漫な昭恵夫人の言動は、首相にとってリスクにならないのだろうか。

「昭恵夫人は1月の日米首脳会談のときに同行しました。米大統領専用機エアフォースワンに乗るわけですから、これは明らかに公人です。そこにまったくハンドリングできていないというのは、リスクと考えていいと思います。少なくとも自らの行動が原因で『首相が何か関与してるのではないか』という疑惑を招いてしまった。これだけでもリスクだということは間違いないでしょう」

あり得ないスムーズな認可

 籠池理事長の経歴詐称や詐欺的な補助金申請までが明らかになり、小学校の開校は絶望視されているが、一時期はとんとん拍子で開校に向かっていた。安倍首相夫妻がかかわっている小学校ということで、開校が遅れないように役人が忖度を働かせたという見方もよく聞かれる。

「今回の件では、針の穴に糸を通すかのような行政手続きが行われています。忖度で、そこまでいくかなと思いますね。まるで、近畿財務局と大阪府がすり合わせをしたかのように、ことが進んでいました。役人の習性からいって、まったく違う機関同士で連絡を取り合うことはあり得ないです。事実、近畿財務局と大阪府は『連絡は取っていない』と、私の取材に答えています。連絡も取らずにこんなにうまくことが進むのか、忖度というレベルで行われるはずがない緻密な作業が行われています。

 いろんなことがタイミングを計ってハンドリングして進められています。必要な時期に異例の国有地の賃貸が決まり(その後、購入)、必要な時期に学校法人認可が下りるなんてことは、普通にやったらあり得ないですよ。トップダウンというよりはボトムアップ、末端のところをうまく立ち回った人間がいるのではないかと思います。こうした場合にときどきみられるような、暴力団関係者が動いた形跡はありません。許認可の仕組みをはじめ行政手続きのすべてを熟知していて、近畿財務局のノンキャリアに顔が利く、大阪府の関係者にも顔が利く、というような人間が動かない限り、無理なんですね。それが誰なのか、私は追っている最中です」

 天真爛漫とは真逆な人物が、この件をすべてコントロールしたのだろうか。籠池理事長の国会への参考人招致にさえ自民党が反対している現在、謎は深まるばかりだ。
(文=深笛義也/ライター)

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