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新見正則「医療の極論、常識、非常識」

【インフルエンザワクチンの真実】摂取後にすぐ罹ってしまう本当の理由

文=新見正則/医学博士、医師

 常識君の意見です。

インフルエンザワクチンの有効性は永続的ではなく、かつ4種類の株にだけ効果を発揮するのです。ですから、インフルエンザワクチンを接種するには、流行が始まる2週間前には済ませておくことが肝要です。そして体調が悪いときに摂取すると身体が弱って、他の病気になることもあります。予防接種を行うのであれば、元気な時で、そして適切な時期に行いましょう。欧米では病原性を弱めたインフルエンザウイルスを鼻に投与するというワクチンが認可されています。こちらは生ワクチンです。生ワクチンなので効果の持続期間がより長く、また予防効果も高いという触れ込みですが、日本人にはどうなのでしょうか」

“極論君”の意見です。

「僕は命にかかわらない感染症はさっさと本物に罹って、そして適切に退治するほうが、永続的で強力な免疫が構築できると思っています。ですから、インフルエンザワクチンは何年も摂取していません。そして体調管理に注意して、インフルエンザに罹患したと思ったらすぐに休養をとっています」

 常識君の意見です。

「健康は自己責任の部分もあります。インフルエンザワクチンは基本的に摂取が推奨されています。ワクチンを打たないという選択をするのであれば、しっかりと体調管理を心がけましょう。公衆衛生という観点からも感染を広がらせない努力を各人が行うべきです」

(文=新見正則/医学博士、医師)

新見正則/医学博士・医師

新見正則/医学博士・医師

1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年~ 慶應義塾大学医学部外科
1993~1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年~ 帝京大学医学部外科に勤務

 幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。著書多数。なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。

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