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『東京タラレバ娘』が全然不幸に見えない問題…バカ過ぎて見るべき理由がまったくない

文=米倉奈津子/ライター
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全然幸せそうな3人

 世の30代は、倫子とも香とも小雪とのまったく違って、もっと計算的で、打算的で、常識的で、それでも本気で人を好きになったり悲しんだりしながら、生きている。

 そして、これが同ドラマで終始一貫してもっとも違和感を感じる部分なのだが、現実の30代は、倫子や香や小雪より、ずっと“不幸でつまらない日々“を送っているということだ。3人のように自由に生きて、日々仕事や恋に一喜一憂して、しょっちゅう気の置けない友達と会って楽しく酒飲んで、あーだこーだとバカ話に花を咲かせて、笑ったり泣いたり怒ったり――。そんなに楽しい生活送っている人が、いったいどれだけいるのだろうか?

 そう、このドラマは「3人のタラレバ女子が、男も仕事もない不幸な生活を送っている」っていう設定なんだけど、見ていて全然幸せそうなのだ。

 ラスト近くで倫子は、「男いない、仕事ない、ってあんたたちとタラレバ愚痴言ってた時も、別に不幸じゃなくて、結構楽しくて、案外幸せって思ってた気がする」と言っちゃってますけど、そうなんですよ。最後の最後でドラマの大前提を否定しちゃってますが、そもそもベースとなる設定に無理があるから、視聴者は見ていて何一つ共感できないし、イライラするし、面白くないのだ。

 こんなに“見るべき理由がまったくない”ドラマは、珍しいといいたいのだ。そして“見るべき理由がまったくない”からこそ、視聴者は気軽に何も考えずに見ることができるゆえに結構視聴率が良いのだとしたら、視聴率って奥が深いなー、と思う次第であります。
(文=米倉奈津子/ライター)

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